2012.05.24

世界は狭くなったけれど、その蔭で・・・悲しい報道も!

悲しい報道に、同じ仕事を共有した者として、深く哀悼の意を表するものです。

私が初めて国際線の乗務についたのが1968年。数えてみれば、44年も前になります。1ドルが365円の頃です。当時は、半年ほどの手厚い訓練期間を経て海外に出ました。訓練内容で今でも「鮮明」に憶えているのは、当時の各ステーション(JALの寄港地)での滞在のあり方つまり行動の仕方まで教えられていたことです。

基本的には、外地(こういう呼び方でした。内地と外地です)では、日本人も少ないので数人の女性を伴っていれば、「JAL・日本航空」ということがすぐわかる。危ないところへの出入り、不衛生な食物の摂取などは、厳に慎むように。滞在中といえども、服装もマナーも、見られているということを常に意識を持つように、という教えでした。

例えば・・・(くれぐれも当時のことですが)

外貨との交換:

「ローマ」(切り下げ前のリラの頃)では、ExchangeRateが有利な「闇交換」で騙されるケースが多発している。「アテネ」「モスクワ」でも同様なことあり。

治安:

パキスタン「カラチ」では、どこのエアラインも乗員は、便数の関係(次の飛行機が来るまで待つ)で、滞在が1週間ほどということもありました。パンナムのCAが行方不明になって出てきた時は、眼を潰されていた。行動には気をつけて・・。

イラン「テヘラン」ここも3~4日STAY。 (パーレビ国王統治時代でした)目立つ派手な格好はしない。国王への敬意を保つ行動を。バザールなどへ行くときも単独では行かない。遠くへの物見遊山は避ける。

「ニューヨーク」では、地下鉄には乗らない。(当時は男女を問わず危険でした。)CAがホテルレキシントンのチェックアウト直前に拉致された。レストランで夕食に向かうために縦にばらけて歩行中の最後尾にいたCAが拉致され、しばらく同行のものが気がつかなかった。また、強盗に会う場合もあるので、多額の現金を持ち歩かず、ホールドアップされた場合は所持している10ドル20ドル札程度をすぐに出す。

UAE「アブダビ」・・・ラマダンなどの宗教的問題。アルコールの摂取、男女間の距離、などなどマナー上の問題に特に気を付ける。

などなど過去の例と現状、対処の仕方などを細かくinfoされていたものでした。

一般的に、選択の仕方によっては旅行費用の格安化、インターネットの浸透などで、驚くほど世界が狭く近くなりました。その一方で、日本の治安もかつてのNYCのように悪くなる一方ですが、世界的に見ればまだまだ良い方です。外地のどこに行ってもまるで日本にいると同じように行動している旅行者も多く見かけられるような気も致します。

「日本人は、治安や危険に対して無防備」とよく言われます。

悲劇の繰り返しの無きように、旅行・ロングステイを問わず、現地の歴史や情勢をよく見て慎重な行動をしたいものと感じます。

ドバイで邦人客室乗務員殺害容疑 同居チュニジア人逮捕
朝日デジタル 2012.5.23

 アラブ首長国連邦(UAE)からの報道などによると、ドバイの警察当局は22日、
地元航空会社の客室乗務員で、20代の日本人女性を殺害したとして、同居している20代のチュニジア人の男を殺人の疑いで逮捕した。男は容疑を否認しているという。  女性は4月25日に、自宅マンションで首を絞められて殺害されたとみられる。地元メディアによると、女性は浴室で死んでいたという。容疑者の男が警察に通報したといい、男は調べに対し、「帰宅したら女性が死んでいた」と話しているという。

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