2012.05.03

「あり得ない」ことが起きている!『利用者のため』と言いながら『尻抜けの安全基準』を放置してはいけない!」

これだけの事故が起きた背景は、深刻です。一部のバス会社の問題ではありません。監視や厳しい罰則を伴う「法律」なくしては、「安全運行」は守れないと思います。

採算すれすれで競い合う「格安ツアーバス」を頼みとする利用者が増えているのは、基本的に不況・デフレも脱出できない経済の舵取りであり、国の政策に起因しているのではないか、と考えざるを得ません。

事故報道がひと段落したら、「安全追及」の手も緩んでくるようなことは、繰り返さないで欲しいと強く願うところです。

2800円バス、若者の足に 金沢―東京便に記者同乗

朝日デジタル  2012.5.2

 衝突事故で7人が犠牲となり、安全性や運行態勢が注目されている高速ツアーバス。4月30日から1日朝にかけて、事故が起きたのと同じ、金沢と首都圏を結ぶツアーバスの一つに記者(29)が乗った。29日にインターネットで予約した際、最も安かった片道2800円のバス。その道中は――。

■就活、旅行…安さ人気

 4月30日午後9時前、金沢駅西口にある仮設の乗り場に行くと、記者と同じバスを待つ人たちがいた。大半が20代前後で、キャリーバッグを抱えた行楽客も目立つ。 紺のスーツ姿の男性(26)は地元大学の大学院生だった。就職活動中で「最近は月6、7回のペースで往復しています」。研究と都内での就職活動を両立し、宿泊代を浮かすため、夜間のバスを利用する。

 金沢市の友人に会いに来たという都内の会社員の女性(26)は往復とも夜行バスの利用だ。大阪に住む遠距離恋愛中の恋人に会いに行く時も夜行バスを使う。「列車のように乗り換えがなく、寝ていれば着くのが便利」という。事故が起き、親からは「乗るのをやめた方がいい」と注意されたが、安さを優先した。 乗り場に、「東京・TDL(東京ディズニーランド)行き」と表示を掲げた大型バスが入ってきた。乗り込むと、ごく普通の4列シートの観光バスで、トイレはない。座席には脚を十分伸ばせるスペースがあり、背もたれも倒せる。事故後のキャンセルで、45席のうち乗客は30人程度。自分の隣は空席なので、ゆったりできる。

 先月29日に事故を起こしたツアーバスは片道3500円だった。記者が乗ったのは、大阪市の旅行会社が企画し、石川県内のバス会社が運行するツアーのバス。インターネットで検索し、3千円台、4千円台など複数ある中から、最も安い2800円のツアーを予約した。定期路線では7千円台の場合もあり、格安だ。

■「1人で運転するなんてありえない」

 午後9時25分、バスは旅を始めた。すぐに寝る乗客もいて、車内は静かだ。運転手は2人だった。およそ10時間かかるルートを、2時間おきに交代しながら運行するという。 出発して3時間。日付をまたいだ午前0時すぎ、北陸道の越中境パーキングエリア(PA)で最初の休憩を取った。

 「運転中に眠くなることがまったくないと言ったらうそになる」。一人の運転手に声をかけると、正直に話してくれた。夜勤の日は昼間に睡眠をとって臨むが、それでも眠いときは、もう一人と早めに交代することもあるという。事故を起こしたバスについて「1人で運転するなんて、ありえない」とも話した。

 事故のあったバスは、北陸道から関越道を通った。記者が乗ったバスは走行距離が30キロほど短い上信越道を選択。連休中とはいえ渋滞はなく、バスは順調に進んだ。事故発生の午前4時40分ごろには埼玉県内を走っていた。外は明るくなっていたが、乗客はまだ寝息を立てている。料金プランによっては毛布が貸し出されるが、記者にはなく、少し肌寒かった。

 午前4時55分、関越道の三芳PAで、最後となる3回目の休憩をとった。金沢方面から東京を目指す、別の会社のバスを含め計7台が次々と駐車場に入ってきた。いずれも、運転手は2人乗っている様子だ。

■採算ラインは「3500円」

 都内に入り、新宿駅や東京駅を経由した。乗客の多くが降車し、TDLに向かったのは記者ともう1人の客だけ。午前7時すぎ、終点に到着した。徹夜明けの耳に、園内のにぎやかな音楽が響く。 運転手は長時間の運転の緊張がとけた様子だ。2人はこの後、近くのホテルに移って休養するという。1日夜は、また金沢に向けて朝までバスを走らせる。「安全運行のため、ゆっくり休ませてもらいます」

 バスを降りてから、この旅行会社に料金について問い合わせた。日によって値段を上下させているが、「月間を通じて運賃収入の1割の利益が出ればいい方」。繁忙期は6千円まで上げることもあるといい、「3500円くらいが採算ライン」と教えてくれた。(伊木緑)

     ◇

 《交通ジャーナリスト・鈴木文彦さんの話》 高速ツアーバスは、インターネット予約が一般的で値段も安く、特に若者の利用が多い。高齢者から単身赴任者まで客層が幅広い路線バス会社の高速バスに比べ、レジャー的な要素が強いのも特徴だ。予約の手軽さと安さで、高速バス利用者の裾野を広げてきた。今回の事故を受けて高速バスを敬遠する人が一時的には増えるかもしれないが、安さ、便利さから依然支持する人も多く、今後も需要は続くだろうただ、安さが売りなだけに、バス会社が人件費を抑えるため無理をする場合も出てくる。安全を確保できる範囲で運行している会社がほとんどだが、そういった会社まで事故の影響で信用を失うことにならないか心配だ。

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コメント

チャターバスの事故は多い。やはり単独ドライバーでは、交代要員がいないので疲労事故は起きてあたいまえ。
このあたりが規制緩和をはきちがえている。

投稿者: M.Hari

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