2012.01.26

英国との航空交渉・進むオープンスカイ!「便利」と「競争激化」のはざまで・・・。

航空利用者は、確実に増えている現代ながら、「路線発着の便利さ」「運賃の格安度」などには、精通していても、いま、国民として、「日本の航空界」は、どうなっているのか、という「俯瞰図」はあまりよく見えない、というのが実状のように思えます。「航空自由化いわゆるオープンスカイ」が着々と進む中で、例えば、以下のような問題は、抱え込んだまま進んでいる側面もあります。

○航空協定

・・・不平等さを残した「日米航空協定」をどうしていこうとするのか。今後、国内線もなし崩し的にオープンとされてしまうのか。その場合、日本のエアラインの経営基盤はどうなるのか。

○空港

ハブなる大空港 

・・・NYC、ロンドン、パリなど首都周辺には、機能を考えた大空港を最低2~3つは構えているが、羽田・成田だけで対応できるのか。関空1兆三千億円の有利子負債、羽田拡張時に抱えた八千億円の負債にどういう見通しがあるのか。羽田の場合はさらに「国際線エプロン」拡張で負債を膨らまさざるを得ないのではないか。その財源は、「受益者負担」という名のもとに利用者から徴収された「整備勘定」・・(かつての空港整備特別会計)からまかなわれる。羽田の場合、井桁の滑走路4本でいずれも2500メーターと短い。発着数を増やすことには、現状では、限界が見える。離着陸の舞台となっている近隣の千葉県から既に「騒音」「落下物」などへのくじょうが上がっているため、問題化するのは必定とみえる。海辺にあるため、夜間離発着時の「バードストライク」が増大、その対策も要る。

「八ッ場ダム・整備新幹線の再開」という情勢の中で、本来、あるべき成田新幹線は、どうするのか。本来、東京駅直通の新幹線が東北新幹線と同時期に着工完成するはずだったものだ。羽田から成田に移転した処理として整備しなかったことが、「交通不便」という実態を生んだ。年間50万人の日本人がインチョン空港に持っていかれているのもこういう不備が起因している。

取り残された98の空港

・・・・過去、アメリカとの貿易摩擦で、ボーイング747を発注購入して世界最大の保有を誇示したものだが、飛行機の数に合わせて、作った空港が98.地方自治体の財政を圧迫し続けてきた。総合交通政策と絡めて、観光立国政策とあわせて、どういう風に展開するのか。

○運賃と航空会社

・・・・国際線を持つ日本のエアラインと言えば、JALとANA。「アライアンス」という蓑はあっても国を代表するようなエアラインにとって、国内から国際線へと乗り継いでもらわなければ困る。ネットワーク(寄港地・運航路線)の大きさが信頼とブランドの証でもある。JALは、不採算路線をカットして、ANAは国際線拡大しているが、オールジャパンとしては、まだまだ競争をしのいでゆかなければならない情勢におかれている。一方で国際線赤字を支えてきた国内線の収益は、格安競争で脅かされる。税金を下げるわけではないので、運賃収入から相変わらず特別会計に上納しなければならないという狭間に於かれるのである。

規制緩和

・・・規制緩和ということで、JAL・ANA・JASが独占していた路線も、スカイマーク・エアドゥ・スカイアジアネット・スターフライヤーなどの国内LCCも誕生したものの、スカイマークを除いて多くは、赤字基調であり、海外格安勢にはとても太刀打ちできないのでは・・という心配もある。形式的な緩和策で、自由競争と言っても、そういう産業を擁護する施策に欠けていたことなどは、どうフォローするのだろうか。

安全の規制緩和

・・・航空会社は、運賃格安を迫られても「黒字」を目指すには、見かけの目に見えるサービスには、例えば機内のエンターテイメントや座席には、費用をかけて、集客に精を出さざるを得ない。どこで、経費削減を図るかと言えば、「旅客から見えない」ところに手を付けざるを得なくなる。航空法によって規制されていた「安全基準」を陰に陽に政府に求める。その結果、「整備の外注化」「パイロット・CAの酷使」など様々な事態が表に出ることなく進んでいる。

などなど・・・・・触れればきりのないくらいの問題山積です。

原発と同じく、ひとたび「事故」が起きれば、航空の場合は、最悪、「墜落」です。

愛国とは、そういう心配をすることなのではないか、とつくづく感じさせられます。

羽田長距離線、昼間も可能に-日英航空協議、成田自由化も

2012年1月24日(火)torevelvision

再国際化当初の羽田空港の様子  日本と英国の航空当局間協議が1月17日から20日にかけて実施され、羽田空港の昼間時間帯で、国際線発着枠9万回拡張時に双方2便ずつの就航を可能とすることで合意した就航可能となるのは、羽田空港の昼間時間帯の国際線発着枠が現在の3万回から6万回に拡張し、国際線発着枠が計9万回となる予定の2014年3月末以降から。今までは昼間時間帯はアジア近距離路線に限定されていたが、今回の合意で初めて長距離路線が運航できるようになる。 また、羽田の深夜早朝時間帯では国際線3万回の枠内で、2013年夏の成田空港の発着枠27万回増枠時から発着枠を限定せずに就航可能とすることで合意した。さらに、同じタイミングでの成田空港関係路線のオープンスカイも合意。オープンスカイはヨーロッパで初めての合意国となり、アジア諸国・地域やカナダ、オーストラリアに続いて13ヶ国目となった。そのほか、関西国際空港や中部国際空港など首都圏空港以外の空港で、2国間輸送に加え以遠地点への輸送自由化も合意した。

 こうした結果を受け、国土交通大臣の前田武志氏は24日の会見で航空協議の結果を紹介。「成田の国際線ハブ機能を更に強化するとともに、羽田の国際化も進めることにより、首都圏全体の機能強化をはかってまいります」とコメントした。

ブリティッシュ・エアウェイズ、羽田に就航−米系2社も運航開始

2011年2月21日(月)toravelvision

 ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は2月20日、羽田/ロンドン線に週5便で就航した。同日都内で開催した記者会見で、BAアジア太平洋地区ジェネラルマネジャーのジェイミー・キャシディー氏は「現在のところ成田線が非常に好調。羽田線でも同様の成功を期待している」とし、予約状況は「心強い推移」を見せていると説明。また、羽田就航により首都圏への座席供給量は25%増となるが、座席を埋めるだけの「需要は十分にある」と分析。デイリー化が「次のステップ」とし、「近い将来に実現できれば」と意欲を示した。

 キャシディー氏は、羽田線の強みとして、ロンドン到着時間が午前10時の到着であることから、国内
線や欧州域内線への乗り継ぎが向上することを強調。日本側でも、日本航空(JL)との連携により国内やアジアへの乗り継ぎが容易にできることをアピールした。一方、成田路線では4月から、新たに受納するボーイングB777-300ER型機を投入。「すべてのクラスで新しいプロダクトをご利用いただける」という。

 なお、初便搭乗率は往復ともに約80%。会見では外務・英連邦省閣外相のデビッド・ハウエル氏、駐
日英国大使のディビッド・ウォレン氏、東京国際空港ターミナル(TIAT)代表取締役社長の霜田明彦氏も登壇し、羽田就航を祝った。

AAとDLも路線開設−ワンワールドは1日約19便を運航へ

 2月20日は、BA以外にもアメリカン航空(AA)が羽田で、決定済みの路線はすべて出そろったことに
なる。
 3アライアンスのうち、特にワンワールドはJLのパリ、BAのロンドンと欧州2路線を独占運航するなど
積極的に路線を設定。1日あたり約19便で世界12都市をつなぐことになり、羽田発着国際線の提供座席数では3アライアンスの中で最大規模という。

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コメント

私たちの国は「無駄使い」が得意な国です。
いらない空港は閉鎖するのが一番。 人やメンテナンスがかからぬようにするのが良い。

投稿者: M.HARI

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