2012.01.01

2012年の始まりです。仮想の「格安運賃」が乱れ飛んでも、「安全」の「見張り番」を揺るがせる訳には参りません!

昨年末から、まるで「スーパーマーケットのチラシ」かと見まちがうような運賃で運ぶという宣伝があふれ始めました。

よくよく見ると全座席の一割程度の座席を指しています。九割の利用者は、正規の運賃を払うようにできています。

こうした傾向に殆どの「メディア」の反応は、「もともと日本は、航空運賃は高すぎた。利用者にとっては、安ければ、これに越したことはない。」という論調です。

そして、最後に「でも安全はないがしろにされては困りますね」と結ぶのが一般的です。

一口に「安全への経費削減は、困る」と抽象的に言っても、一般の利用者にとっては、「そりゃそうだ」と云うぐらいで、何のことか捉えようもない、というのが実態です。

~航空は、かの「TPP」の予告編~

現実には、航空法の安全規制がどんどん緩和されて、パイロットや保安要員であるCAの過酷勤務、整備の外国(中国・シンガポールなどのアジア地域)への外注、それも軽整備まで許可されていたものがエンジンの重整備までOKというようになったり、飛行間整備の時間の短縮や整備士の点検も極端に言えば「要らない」というような法改正までされてきているのです。

こういう彼方に「格安」は存在しています。

折しも、野田内閣では、オバマ大統領が国内向けに約束したことを実行する、早く言えば日本のマーケットにアメリカのあらゆる業種の会社が殴り込みをかけてくる、「TPP」を受け入れようと積極的です。

現在、国論は、賛否両論ですが、航空では、利用者のよく知らないところで、「日米のオープンスカイ協定」「アジアゲートウェー」という名のもとに「既に」始まっています。

~国内運賃が高いのは、税金で三割近く持って行かれるから~

日本の国内運賃は、欧米・アジアと比べても異常に高いのは、事実です。しかしその主要な原因は、「税金の高さ」にあります。東京/大阪の場合でも現行正規運賃の約30%は税金として取られて、エアラインは、国に上納せねばなりません。

消費税の仕組みと似たようなものです。

そしてその税金で、実に「98もの空港」を作ってしまったわけです。

外国勢力と競うために「格安運賃」を迫られたエアラインは、「安全への経費」もカットせざるを得ません。

「安全への規制緩和」を当然のように実行してきた歴代・現行の日本の政府は、こういう実態をよしとしているのです。

ますます「利用者の安全を保障する仕組み」への「見張り」と「提言・警告」を厳しくしてゆかねばなりません。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

スカイマーク「片道980円」格安便 操縦ミスで「お粗末欠航」、乗客怒る

2011/11/ 8 20:09   jcast

格安航空会社(LCC)が躍進を続けるなか、スカイマーク3 件が新規就航させたばかりの路線で、トラブルが起こっていたことがわかった。通常、機材トラブルなどの航空会社が原因で欠航する場合、払い戻したり、他の航空会社や鉄道などに振り替えたりという対応が一般的だが、この路線は振り替えの対象外。さらに、この欠航の理由が、パイロットのミスというお粗末なものだった。

問題が指摘されているのは、成田発新千歳行きのスカイマーク3 件877便。この路線は10月30日に就航したばかりで、最も安い運賃に980円という破格の運賃を設定したことで話題になった。
  だが、就航からわずか1週間がたった11月5日の877便は欠航になってしまった。このときの対応に不満が集まっている。

   スカイマークのウェブサイトには、機材故障など同社の都合で飛行機の運航が出来なくなった際の対応のひとつとして、「スカイマーク3 件が選択する当社便、他社便、またはその他輸送機関への振替」とある。ここまでは、日本航空(JAL)や全日空(ANA)が掲げている方針と同じだ。だが、今回欠航になった成田便については「但し、成田発着便は他社便、その他輸送機関への振替はいたしません」と、例外規定が設けてある。実際にこの規定が適用されることになってしまった形だ。

   具体的には、スカイマークの成田ーー新千歳便は1日1往復しかないため、同社便に振り替えるにしても翌日以降。同社の割引運賃でチケットを購入したが「時間に余裕がない」という乗客は、一度チケットを払い戻した上で、JALやANAのチケットを買い直さざるを得なかった。

誘導灯の電源ケーブルに乗り上げる

   スカイマーク3 件の広報担当では、この規定が出来た理由については「既存の乗り入れ空港とは運用の方法が違うため」と説明。「運用」とは、チェックインから搭乗するまでの一連の流れを指すのだという。さらに、当面、この条項が変わる予定はないという。

   また、スカイマーク3 件では、欠航の理由を「機材点検」とのみ説明していたが、この「点検」に至るまでが、実にお粗末なものだった。

   国土交通省の航空事業安全室によると、877便はゲートを出発後、誘導路から滑走路に移動する途中で進路を間違え、誘導灯の電源ケーブルに乗り上げた。この影響で、タイヤがこすれたため、点検のためにゲートまで引き返したという。

   つまり、乗客からすれば「一度出発したにもかかわらず、パイロットのミスが原因で飛行機から降ろ

されて欠航になった」という形で、この点も乗客の不満を増幅させたとみられる。

ピーチ格安航空券 発売開始 アクセス集中 HP一時停止

  【産経新聞 2011/12/28 大阪朝刊 第2経済 8頁 284字】
 関西国際空港を拠点とする日本初の格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーション(大阪府泉佐野市)は27日、来年3月1日に就航する関空-福岡便、関空-新千歳便の航空券を発売した。インターネットと電話のみの販売で、同社のホームページ(HP)はアクセスが集中し、一時的に受け付けを停止したが、短時間で復旧した。

 今回発売されたのは3月1~24日搭乗分。福岡便が片道3780~1万1780円、新千歳便が同4780~1万4780円。就航記念キャンペーン価格となる片道250円の航空券(座席数限定)は後日発売される。

 ピーチによると1日の第1便を含め一部の便は満席に近い状態だという。

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コメント

40年以上昔だったか? 日本航空とパンアメリカンという米国1位(その頃は、破綻してしまいましたが)と比べられることがあったのですが、搭乗予定の飛行機が故障すると、「パンナムはすぐ別の機体を出すが、日本航空は1時間以上待たされる」ということを言われました。
同じことが機体に余裕のない格安航空会社では、あって当然と思います。 ただこんな事は考えたくないのですが、航空会社の規程(運輸省の許可必要)ギリギリのときのGOとSTPが経済的理由で甘くなると怖いと思うのはわたしだけか?

投稿者: M.Hari

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