2011.03.20

肺塞栓症/エコノミークラス症候群への緊急手当が必要!

避難所など狭いところで、暖気もなく、食料も不足し、更に同じ姿勢をとらざるを得ない「被災・避難者」の方々のご苦労は、身に沁みるものがあります。

その上、お年寄りや、ハンディキャップのある方にとって、「肺塞栓症」への心配は格段のものがあります。

地震から命は助かったものの「避難したところ」で新たな危機にさらされることになっています。

政府の一日も早い「救援活動」の中に、この点もあることを忘れてはなりません。

1951年に日本で民間航空が再開され、プロペラからジェット化され、更にジャンボ機での大量輸送化、航空機の足は伸びて、ハワイやアラスカ、香港などで給油していた実態が、今やアメリカの北部や西海岸、ヨーロッパまでドアツードアでゆける便利さとなりました。

しかし、この一方で9時間を越えることがなかったフライトタイムもニューヨーク・シカゴなどの14~16時間を筆頭に、欧米・豪州路線では軒並み連続10時間を越えて着席し続けなければならないことになりました。

ビジネスクラスやファーストクラスは、フルフラットのリクライニングや座席のピッチや幅も余裕がありますが、エコノミークラスは、狭い座席に閉じ込められ、特に窓側や3席の真ん中などにseatingした場合、長時間身動きもできない状態になります。

エコノミークラスだけは、かれこれ50年、その狭さは「進化することもなく、昔のまま」です。

こんな不合理に利用者は、あまり苦情を言うでもなく黙々と従っているのが国際的に「不思議」です。

「割引」や「格安」に目を奪われて、「人間としての居住空間」には、目がゆかなくなっているようにも思えます。

近年、「肺塞栓症」が「エコノミークラス症候群」と呼ばれてきた背景は、以上にあります。

機内で、「体操ビデオを流したり」「水分の補給を進めたり」「歩くことを薦めたり」しても実際にできることは、「水分補給」ぐらいしかありません。ただでさえ狭いエコノミーキャビン特に「ジャンボ機」が退役した今、767や777にスペースなどありません。

エアラインは、「予防のすすめ」をする前に、エコノミークラスの座席そのものの「前後と幅」を拡大し、利用者に提供すべき問題と考えます。

肺塞栓症の症状

肺塞栓症の主な症状は,肺血液障害の程度により異なります。まったく自覚症状の無い無症状のものから,肺動脈幹が閉塞されて瞬間死をきたすものまで様々です。

大量あるいは中量の血栓塞栓の症状が典型的な症状です。自覚症状 呼吸困難、胸痛、不安感,咳瞰,喀血,失神などを訴える.呼吸困難は空気欠乏感が多く,呼吸をしても酸素がたりないなどの症状がみられます。

胸痛では胸膜痛や、急性の前胸部の圧迫感、胸が詰まった感じなどの症状がおこります。

~予防には・・・。~

車中泊を含め、厳しい環境下に置かれた被災者の方々にとっては、注意も滞りがちになると思いますが、

エコノミークラス症候群を防ぐ基本は、

●同じ姿勢を長時間とらない。

●適度に体を動かす

●ふくらはぎを揉む

●屈伸運動をする

●水分を取る(寒いところに置かれても)

ことです。

一日も早い十分な救援体制が整うこと祈念いたします。

※私の循環器の主治医である清水一寛先生から数年にわたりお話を伺ってきました。長時間手術時に使用される「医療用加圧型ソックス」なども有効です。

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