2010.10.13

管制業務は、「空の安全の要」!   こういうことがあってよいものか!???       

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各航空機の便名 が刻々と動いているレーダー画面。(シュミレーター)

私は、日本で最も過密と言われる「関東南セクター」という航空路を担当する東京コントロール=「東京航空交通管制部」を見学、学習させて戴いたことがあります。

30年間乗務した中で、コックピットに於いて、管制官からパイロットへの交信を傍受する聞く機会はあっても、管制官がレーダーのなかで群がる「飛行機」を羽田や成田の空港に向けて整列させ、次々と着陸へと誘導する技を垣間見て、「緊張」への新たな感動を覚えたものでした。

外界の光から遮断されて、「超高速飛行機群」の集中「過密」というリアリティーに対面して「事態」には、只々驚くするばかりでした。

まさに、多くの旅客の命を預かる崇高な仕事です。

レーダーに対面し、判断誘導する管制官は一人、横にはダブルチェックとアシストする管制官が一人、30~40分持つかどうかの緊張持続です。

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画像は、シュミレーターによる管制体験です。

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空いている「レーダーサイト」の前で。これ以上は接近が許されておりませんでした。

見学の折りには、私も「シュミレーター」によって「誘導」の体験をさせていただきました。

「シュミレーター」です。私のような関係者でも「シュミレーター」がせいぜいなのです。

中学生が「管制指示」を出した、なんて信じられませんね・・・。

そして、「管制官」の数が削減されて、疲労が蓄積するような「環境」を創りだすようなことがないように、私なりの役目を果たさねばならない、と自らに言い聞かせたことを今でも忘れておりません。

今回の「福岡管制部」の所業は、そういう意味で「許せません」し、全く以て理解不能です!!

中学生に旅客機と交信させる=管制官口止め、報告先送り―福岡の職場体験で・国交省
時事通信 10月12日(火)16時37分配信

 国土交通省は12日、福岡航空交通管制部(福岡市東区)の管制官3人が、職場体験実習に参加した中学生2人に管制指示を書いたメモを渡し、飛行中の旅客機2機と無線交信させていたと発表した。同部の先任管制官は「口外しないように」と中学生に口止めし、2日後まで国交省に報告していなかった。
 同省は「航空の安全を担う者としてあるまじき行為」として、関係者を処分する方針。
 国交省によると、同部は5~7日、中学生2人の体験実習を受け入れ、6日午前に管制運用室の見学を実施した。3人の管制官が立ち会ったが、2機の旅客機を呼び出し、福岡空港の管制に周波数を合わせるよう求める英語の指示をカタカナ書きでメモし、中学生2人に渡した。
 2人は午前10時44分から46分にかけ、飛行中の日本航空(乗客乗員387人)とスカイマーク(同177人)各1機との間で無線交信し、メモを読み上げた。
 中学生2人が見学後に礼を述べ、先任管制官は事実を知ったが、「胸にしまっておいて」などと口外しないよう求めた。しかし、2人は管制部門以外の職員も参加した7日の実習報告会で、「本当にうれしかった」と話した。

中学生に管制指示を出させる

10月12日 18時40分  NHK

今月6日、福岡市で、航空管制官が、職場体験に来ていた中学生に実際に運航している旅客機への管制指示を出させていたことがわかり、国土交通省は関係者を処分する方針です。

中学生に管制指示を出させていたのは、西日本の航空路の管制を行う、国土交通省の福岡航空交通管制部に所属する50代から30代の管制官3人です。国土交通省によりますと、3人の管制官は、今月6日、職場体験に来ていた地元の中学生2人がレーダー管制室を見学していた際に、英語の管制指示をカタカナ書きにしたメモを渡し、実際に運航して

いる2機の旅客機に対して指示を出させました。

指示は、「この周波数で福岡空港の管制官と交信せよ」という内容で、福岡空港に向かっていた日本航空とスカイマークの旅客機のパイロットに伝えられましたが、いずれも正しく伝わり、2機の旅客機は通常どおり飛行を続け、福岡空港に着陸しました。また、3人の上司の先任管制官は、中学生の話でこの件を知りましたが、中学生に「口外しないように」と伝え、隠ぺいを図っていたということです。

国土交通省は「空の安全に対する国民の信頼を損なう重大な事案だ」として、上司の管制官を含む関係者を処分する方針で、全国の管制機関を対象に同様の問題がないか、緊急の調査を行うことを決めました。

福岡航空交通管制部での部外者による無線交信について

平成22年10月12日     国土交通省

 福岡航空交通管制部において、部外者に無線交信を行わせるという事案が発生した。その後、同管制部において事実関係の調査を行ったところ、これまでに次の事実が確認された。

・ 10月5日(火)から7日(木)までの3日間、福岡航空交通管制部において、地元の中学校からの要請により、中学生2名の職場体験実習を初めて受け入れた。
・ 6日(水)午前の管制運用室の見学の際、その場にいた管制官3名が、当該中学生に対し、運航中の航空機2機に対する管制指示をカタカナ書きにしたメモを渡し、無線交信で読み上げさせた。
・ また、先任管制官(上記3名の管制官の上司)等3名の職員が6日昼頃の段階で中学生の発言等から上記の問題の発

生を知ったにも拘わらず、事実確認を行わず、一旦はこれを隠そうとしたため、本省への第一報が二日間遅れ、8日(金)となった。

 かかる行為は、航空の安全を担う者としてあるまじきものである。このため、国土交通大臣の指示に基づき、以下の通り措置する。

(1) これまでは福岡航空交通管制部が調査を行ってきたが、未だ不明の点も多いため、本省から職員を派遣して事実関係をさらに精査することとし、その結果を踏まえて関係者に対し厳正に対処する。

(2) 福岡航空交通管制部を含む全国の官署に対して、直ちに再発防止の徹底を図るとともに、類似の事案が発生していないかの調査等を実施する。

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コメント

CAによる麻薬使用のほうがよっぽど信じられませんが。

投稿者: JANA

民間航空会社がトラブルを起こしたら即厳しい行政指導
ここまでは許せます、当然の事ですから、
許せないのが国土交通省のHPに有るネガティブ情報です、
今も有るのかな?運行会社各社のネガティブキャンペーンが
延々と記載されていますが、JALに関する記載は皆無でした。
トラブル情報までJAL擁護!
JALはそのうちにとんでもない事をしでかしそうで怖い。

投稿者: jaljal

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