2010.05.15
懐かしい!「羽田からの欧米国際線」。ハブ化には、まだまだ難問あり。
羽田空港沖合に建設中の4本目の「D滑走路」の完成に伴い、欧米やアジア路線などの国際線の定期便が10月31日に就航すると発表されました。
懐かしい「羽田」から32年ぶりに欧米に飛ぶ、ということは、私にとっても懐かしき瞬間です。また、都心から近いということでは、利便性も高く首都圏居住者にとっては、嬉しいものと言えます。
しかし、この一方で、国民レベルには、「羽田空港ひとつ」ですべての国際線をまかなえるようになる、とでもいうように喧伝されていますが、この点は疑問が多々投げかけられています。
世界の主な首都、例えば、ニューヨークは、ジョン・エフ・ケネディー空港を補完する形でラガーディア空港、ニューアーク空港があるし、パリでは、シャルルドゴール空港には、オルリー空港が抑えとなっています。ロンドン、ヒースロー空港にはガトウィック空港というように複数の国際線を持つ空港があるのは、何十年も前から世界の常識です。
つまり、首都圏に2空港あって良いだけの「東京」ですから、「羽田」か「成田」か、という論に持ち込むことそのものが可笑しいのですが、なぜか、政府・国交省・東京都・各種戦略会議・委員会はじめメディアも、必ずそういう結論を出したがっているように感じます。
世界の航空情勢から「羽田を国内限定」とし、(政治的な問題で成田空港で二つの中国が鉢合わせしない配慮はされて、一部国際線は残りましたが)、急遽地元の反対も説得できないうちに「新東京国際空港=現成田国際空港」をつくりました。
1978年のことでした。当時は、新空港へのアクセスについても「東北新幹線」と同時j期・同列に「成田新幹線」が敷かれる予定となっていました。
地元の賛成を得ないまま、強制的に土地収用をしたことが禍根となり、2本目の2500m滑走路が完成したのがつい昨年のことです。
この一方で、アクセス手段については、これまで32年の歴史の中で、在来JRの上を走らす「ネックス」などは、その場のごまかしに過ぎないもので、国としては、まずは、国の方針として強行に建設した、国際空港へのアクセスに対して、その政権を問わず、公約したことを実行すべき責任があると考えます。
「需要も不確かな98もの地方空港を建設してきた『でたらめ航空行政』と「国家が無理やり建設した成田空港への高速アクセス保証責任を回避している問題」は、同次元で論ぜられるべきことだと思います。
成田空港問題は、最近の普天間基地問題となんと相似形の問題ではないでしょうか。
このように、国家首都圏の基幹空港は、「成田」と「新羽田」と並列して進めることが、国益を追求することになるのではないでしょうか。
[羽田ハブ構想の問題点のいくつか]
・国際⇔国内はあっても、国際⇔国際 をにわかに実現できない。
・井桁型の滑走路は、誘導路が交錯せざるを得ず、計画通りに発着回数を増やすと混雑 時には、10分に一回は、こうした事態が発生するものと思われる。
・管制官は、安全上、複雑多岐な管制能力を要求されることになる。また配置数も平行滑走路より厚めに配置が必要になる。
・新ターミナルには、10機のボーディングブリッジということですが、現在の成田空港が「67機」で運営していることなどから見ても、その能力では、「ハブ空港」には程遠い。
・となると、更にターミナルなどの増築がなければ、いくら発着数を稼動増としても役に立たないことになる。
・羽田は、現在「D滑走路及び新ターミナル建設」で8900億円の長期債務を抱えている。
この上、沖合いに更に空港展開となれば、空港整備勘定から利用者負担の数兆円規模の費用が出ることになる。関空の有利子負債が約1兆2千億円を更に上回る不健全財政になるが、国民利用者は、殆どこのことを知らない。
などなど・・・・安全上、千葉県騒音問題などまで挙げればきりのないくらいです。
羽田の国際定期便10月31日就航、欧米路線も
前原国土交通相は14日、羽田空港沖合に建設中の4本目の「D滑走路」の完成に伴い、欧米やアジア路線などの国際線の定期便が10月31日に就航すると発表した。
これまで、羽田の国際線はアジアなど近距離のチャーター便に限られていたが、新たに欧米路線も加えて「24時間国際拠点(ハブ)空港化」に向けてスタートを切る。国内線が中心の羽田と、長らく“日本の玄関”だった成田空港とのすみ分けは事実上なくなり、成田周辺の自治体からは存在感の低下を懸念する声が高まりそうだ。(森田将孝)
D滑走路の完成で、羽田の定期便の発着枠は、現在の年間約30万回から約40万7000回に増える。国際線は日中と深夜・早朝にそれぞれ約3万回、計約6万回が割り当てられる予定だ。発着枠は段階的に拡大され、2013年度までに約44万7000回、うち国際線は約9万回を計画している。
10月31日以降、日本航空がサンフランシスコやホノルルなどを結ぶ定期便を開設する予定だ。全日本空輸は台北や北京などを結ぶ定期便に加え、米国や東南アジアへの路線開設も検討している。このほか、デルタ航空がロサンゼルスとデトロイト、アメリカン航空がニューヨークを結ぶ路線を就航予定で、これまでに12の国・地域が羽田と結ばれることが決まっている。
10月21日から供用が始まる国際線旅客ターミナルには、東京モノレールと京急電鉄の新駅も開業予定で、利用者は09年度の約6204万人(速報値)から12年度には約7080万人に急増すると予想される。
これに対し、成田空港を抱える周辺自治体は、成田の地盤沈下に対する懸念を強めている。 千葉県空港地域振興課は、「羽田には成田を補完する形でやってもらいたい」と強く要望するが、「都心からの近さで勝る羽田空港の需要が高まるのは確実」(航空関係者)だ。
前原国交相は14日の記者会見で、「国際線は兄貴分の成田空港が中心」と述べて千葉県への配慮をにじませた。しかし、成田空港はアジアのハブ空港の地位を確立した韓国の仁川空港との競争に加え、羽田との競争にもさらされることになり、戦略の立て直しが求められそうだ。
(2010年5月14日22時57分 読売新聞)
コメント
Nice
very good information you write it very clean. I'm very lucky to get this info from you.
投稿者: cheap mbt
外航勤務者さま
「羽田ハブ」の死角について、まったく同感です。
投稿者: 秀島 一生
①早朝深夜枠運航時の旅客の足が問題です。京急も運航が少ない段階で定期ダイヤを組むのは難しいでしょうし、かつ深夜には保線/整備なども行わなければならないのでは?リムジンバスだけでは厳しいでしょう。
②管制の観点から複雑な飛行経路が要求されると聞いています。新国際線ターミナルとDランとの距離、常にAランをまたぐ点など管制や運航の立場から見るとかなりユーザーアンフレンドリーな観は否めません。ランディングチャージや駐機料、Dラン使用時のタキシング...運航に金と気を使う空港です。
③内際乗り換えだけでは話になりません。それに深夜早朝枠の国際旅客の為にいかほど便利な接続で国内線をはってくれる会社があるのか...
④早々に運航の決まった外航各社においては、二国間交渉で枠がとれたため、政治的観点からの乗り入れが主たる動機にも見受けられる所ですが、どれだけ採算がとれるのか、実際には運航してみないとわからないかもしれません。欲しい時間帯で運航できる会社はいいかもしれませんが、そうでないと厳しいのでは?と思います。
投稿者: 一外航勤務者
横田基地返還で、首都の空は万全だと思います。
投稿者: 秀島 一生
たとえばのお話になりますが、首都東京の国債空港が、成田、羽田だけというのはさびしい。そこで厚木は軍用空港ですが、ここにもう1つ国際空港の機能をつけ加えるという案はダメでしょうか。
投稿者: M.Hari
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