2010.03.10

スカイマーク「いくら格安でも安全に疑問符!」国交省厳重注意。

報道で見る限り、驚くべき経営者の横暴と受け止められます。国交省の「厳重注意」は軽すぎるくらいだと思えますが、よく指導に踏み切ったとも評価できます。

オペレーションマニュアル(略称OM)運航規定は、航空機を運航してゆく上での規定ですが、これは、運航に携わる者にとっては「憲法」のような存在です。そのなかで、「安全への最終決定権は機長にある。」と、どのエアラインでも明記されています。

客室乗務員の体調が不良なので機長が交代を命じたということですが、私の現職時代であれば、機内に乗り込む前に、客室の責任者として同じことを命じていたに違いありません。

スカイマークの現場からの声を聞きますと客室乗務員のみならず、パイロットでも代替要員が少ないため「風邪をひいて熱があるので休みたい」といっても「乗務につきなさい」という指示をされるというケースも珍しくないようです。

かつて、パイロットが病欠したら何十便も欠航した、という前科もありますので、「安全への驕り」には、反省をしていただきたいものです。メディアで放映された限りでは、「厳重注意」に対しても経営者は、「不納得だ」という対応が透けて見えました。

こういうことが改まらぬ限り、私はこのエアラインを安全という点で「お薦めする」ことはないでしょう。

スカイマーク 機長の安全判断、社長ら拒否

  【産経新聞 2010/03/10 東京朝刊 】
 スカイマーク(東京)の西久保慎一社長ら経営トップが2月、体調不良の客室乗務員の交代を求めた機長の安全判断に介入して、運航を命じていたことが分かり、国土交通省は9日、「安全運航を脅かしかねない不適切な対応」として同社に文書で厳重注意した。

 国交省によると、問題があったのは、2月5日午後に羽田から福岡に向かったスカイマーク017便。出発前の点検で、客室乗務員1人が体調不良で声がかすれて出にくいことを確認した機長は、緊急時の乗客誘導に支障が出ると判断して乗務員の交代を求めた。これに対し、西久保社長と、安全管理を統括する井手隆司会長は、機長らを乗せて飛行機に向かうバスに乗り込み、乗務員を交代させずにそのまま運航するよう要求。機長が拒否すると、別の機長に交代させて約1時間10分遅れで出発させた。

 スカイマーク社は運航規定で、機長に安全判断の最終決定権を与えると明記。機長は飛行前に安全に支障がないことを確認しないと出発できないことになっており、国交省は「(社長と会長の行為は)機長の安全判断を否定するもので不適切」として厳重注意に踏み切った。 スカイマーク社は「今回の厳重注意を真摯(しんし)に受け止め、鋭意努力を重ねてまいります」とのコメントを出した。

~「営利主義経営の乱れ」は、モチベーションも劣化させる~

かつては、コックピットに旅客を迎え入れる事もできたし、アメリカのエアラインではドアを開け放していることも良く見受けられました。しかし、あの「9・11」以来、テロ対策という点では、事情は大きく変わりました。

写真を撮ることが、「見張り業務」の航空法違反というのは、少し無理があるようにも思えますが、日常的に恒常的にこういう撮影行為を続けたとなれば、考えものです。

いったんドアを閉めて、テイクオフしたら、旅客の命は、パイロット・客室乗務員に預けられます。「一瞬の油断も許されない仕事」だけに「仕事への誇り」を持ち続けられる環境も重要です。

JAL・ANAなどに比べれば、過酷な労働条件下におかれていると「現場からの生の声」を多々聞いています。

機内サービスなどと違って、旅客の目から見えない「安全」を、営利の陰に置くようでは、いずれ大きな問題を起こすことになります。

スカイマーク 副操縦士、操縦室デジカメ撮影

  【産経新聞 2010/03/10 東京朝刊 】
 スカイマークの30代の男性副操縦士が昨年4月から今年2月にかけて、巡航中の操縦室内の様子をデジタルカメラで撮影していたことが分かり、同社は操縦者の見張り義務を定めた航空法に違反するとして9日付でこの副操縦士を諭旨退職処分にした。撮影に応じた機長や管理責任者ら13人も降格や出勤停止、減給などの処分にしたという。

 同社によると、副操縦士は昨年4月以降、羽田と旭川、新千歳、沖縄などを結ぶ便などで計5回にわたり、操縦室内で機長や客室乗務員らの様子を撮影。副操縦士が客室乗務員らと一緒に写った写真もあったという。

 今月4日に国土交通省から指摘があり、同社が調査していた。副操縦士は事実を認め「軽率な行為だった。深く反省している」などと話したという。

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旅するデジカメ・札幌発<見る・残す・伝える>
» スカイマーク~機長より社長が偉い会社に「安全」は無い
 体調不良の客室乗務員の交代を機長が求めたところ社長が激怒し、逆に機長が交代させられた上に即日解雇させられた・・・こんなニュースが今週報じられた。事態を重く見た国交省は、「安全運航体制を脅かしかねない行為」であるとして、厳重注意処分を行っている。...

Tracked : Mar 13, 2010, 3:03:52 PM

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