2010.02.22
「UA機の乱気流事故」から透けて見える「危機管理」ファクター!!
乱気流に遭遇して人身事故が発生したケースには、およそ2種類に分けられると思います。
それは、予測不能なクリアエアータービュランス(CAT・晴天乱気流)に遭遇した場合と、あらかじめ航路上、レーダーで「雲」の間をすり抜けて航行しなければならないということが予測できる場合、です。
さて、今回の場合は、怪我を負った乗客の談話によれば「シートベルト着用のサインが点灯されてから5秒~10秒」で激しい横揺れを伴う上下動があったと言うことです。
問題は、第一に「ベルト着用サイン点灯の時期」が遅すぎたことはなかったのか」ということがありますが、これはアメリカNTSB(National Transportation Safety Board )のリポートを待つ以外にはわかりません。
第二に、「怪我人などが出た場合の措置が状況に合っていたか」という問題を黙過することはできません。
~ノースウェスト(デルタ)とユナイテッドの両エアラインに共通する曖昧さ~
「トヨタ」リコール問題で、アメリカでは、「危機管理、事後対応の是非」について、アメリカ国内では、厳しい批判が同社に向けられています。
航空においても、、「車」をはるかに越える超高速で飛行し、瞬間の判断力が乗客の命を左右する交通機関であるがゆえに、こうした「安全管理」「危機管理」については、ゆるがせにされてはならないものと思います。
(千葉日報2月21日朝刊より)
2009年3月の「エールフランス機」(crik)に続いて、成田空港では、
ちょうど1年前の2月20日に起きた「ノースウェスト機乱気流事故・crikしてください」では、被害を受けたその後の処置として「機長は、着陸後管制官と話をするまで、キャビンでの被害、怪我人の状況を知らなかった」ということがありました。当然、緊急着陸の要請もしていなかったわけです。
これは、私の乗務体験から言っても、日本の航空会社では考えられないことです。
客室乗務員の責任者としては、2人しかいない操縦室では、キャビンの様子を垣間見ることもできませんので、客室乗務員の正確なリポートを頼りに、決断を下さねばならない状況下に置かれます。特に、タービュランス直後は、操縦室においても緊張は続いており、副操縦士が客室の様子を見に行く暇はないと言えます。
「被害後、機長にその緊急性を含め状況を報告する。」ことは、客室を預かる者として、保安任務上の最低条件ですし、怪我人への手当て、パニックを平穏化する、ことも重要です。そして、その後も「怪我人の状況を定期的に報告する」ことになります。
ノースウェスト機の場合は、乗客・客室乗務員が43人重軽傷を負っていても「緊急着陸の要請」はされませんでした。一体、機内はどうなっているのか、いまだに解明されていないようです。
さて、今回の「ユナイテッド航空タービュランス事故」での、最大の問題は、アラスカ・アンカレッジ上空で「乱気流に遭遇し、怪我人を出した」と言うのにそれから「成田空港まで最低でも5時間以上は、飛び続けねばなりません。アンカレッジ空港に緊急着陸することもできたはずではないか」と言う疑問です。更に、日本の同社社員からは、「怪我人の人数・状況・氏名」さえ「わからない」という答えしかなかったことです。
これで、エアラインとしての「危機管理」は成り立つのでしょうか。日本人が乗客として乗っていたからと言うだけではなく、国際上もこうした対応が許されることがあってはならない、と提起したいと思います。
コメント
コメントを書く
トラックバック
この記事に対するトラックバックのURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/26612/47630974
この記事へのトラックバック一覧です:
Copyright (C) 2001 - 2004 Hideshima Issei All rights reseved. p>
航空評論家 秀島一生のblog


