2010.01.07
「機内新聞配布とりやめ」のおおもとは、「規制緩和」に。
国際線では、IATA運賃が崩れ去り、国内線も、各種割引を許すと言う法的規制緩和で、「航空運賃は、価格破壊状態です。」自ら規制緩和を望んだエアラインが、搭乗者数は増やせても、実収を大幅に減らすという現象をきたしています。
一方で、仕事がらみや冠婚葬祭で、緊急に飛行機を利用したいというときは、値上げ続きの基本運賃を購入せざるを得ない、というのも実態です。
「機内の週刊誌・雑誌などを搭載しない」から火がついて、ついには「新聞」まで提供されなくなりました。定価どうりに航空券を買っている旅客から見れば、「些細であって些細でない」問題なのです。
実は、年に数回利用という旅客には、気がつかない、あるいは若年利用者は、昔を知らないということで気がつかない、ことなのですが、国際線では、「機内食の質を落とすだけ落としてコストカット」「どうしたら旅客が飲み食いしないようにできるかという工夫を凝らす」という世界になっているのです。そういえば、「飲み物のサービスが減ったかなぁ。」と感じている方もいるはずです。見えるサービスも減らすと言うことは、見えにくいサービスはカットするのは、当たり前、「旅客からは見えない、安全への投資は大丈夫か」という風景になってきているわけです。
まことに、恐ろしいご時世というほかありません。
機内の新聞配布も中止 日航&全日空、存亡賭けた経費削減
2010/1/5 夕刊フジ・産経正月のUターンラッシュも一段落した5日、日本航空と全日空が足並みをそろえて機内での新聞配布と予約電話の無料サービスを打ち切った。シートベルトを締め、「さて、新聞でも…」と思っても、もう配ってはくれないわけだ。専門家は「両社とも存亡を賭けた経費削減を行っており、背に腹は代えられないようだ」と指摘するが、しばらくは乗客から不満の声もあがりそうだ。
日航は国内線「クラスJ」と普通席、国際線のエコノミークラス、全日空は国内線一般席と国際線のエコノミークラスで新聞の配布を中止。さらに両社は、一般予約電話のフリーダイヤルも廃止した。
羽田から九州各地を結ぶスカイネットアジア航空(宮崎)も同日に追随した。その結果、羽田発着の国内線のうち、無料で新聞を配布するのは北海道国際航空(エア・ドゥ)のみとなる。新興の航空会社は就航当初から新聞を配布していないところが多いが、富士山静岡空港を拠点にするフジドリームエアラインズは「静岡新聞のみ無料配布している。他紙の配布も今後の検討課題」(広報)という。
今回の新聞配布中止で全日空は「1年で3億6000万円のコスト削減となる」(広報室)といい、日航関係者も「新聞、フリーダイヤルそれぞれで数億円のコスト削減」と語る。売上高から考えると微々たるものだが、両社とも小さなことからコツコツと経費削減に励むそうだ。
新聞配布の中止を嘆く声は多い。韓国や中国を仕事で頻繁に行き来する貿易商の50代男性は「海外では日本のニュースがチェックできない。その分、日系航空会社が運んでくる新聞が1日遅れでも楽しみだったのに残念」と惜しむ。旅行業界関係者は「新聞とフリーダイヤルの廃止は昨年7月に全日空が打ち出し、日航が追随した。新聞は朝一番の便に出発地から数十部積み込む。その後の便ではリサイクルして配布していた。日航は子供に配布するおもちゃも昨年春ごろからショボくなり、機内サービスの質は落ちる一方」と話す。
航空アナリストの杉浦一機氏は「2008年から国際線運賃の規制が緩和され、ローコストキャリアと呼ばれる格安運賃の航空会社が参入してきた。このため、日系の航空会社では運航コストと販売経費の高さが問題視されるようになった。フリーダイヤルの廃止は販売経費削減の一環で、さらに今春には代理店の国内線手数料を半額にする予定。航空会社は販売方法をネットに絞ろうとしている」と語る。
新聞配布の廃止については「乗客の反発は怖いが、背に腹は代えられない。ただ、飲み物のサービスは、機内が乾燥しているうえ、カットするとエコノミークラス症候群が増える危険性もある。輸送に直接響かないサービスを切りつめる方針のようだ」と言う。
今後は電車だけでなく、航空機に乗る前にも夕刊フジを買うのをお忘れなく、ということか。
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