2010.01.09

JAL再建は、「法的整理の方向」と前原大臣!

具体的な「再建策」が明示されているわけでもなく、着地点はいまだ不明ですが、
前原大臣は、「法的整理」で再建する、そのために「企業再生支援機構」を使うことについて、はっきりと表明しました。
これまで、政府は、JAL再建問題に、右往左往してきた経緯もありますが、「私的整理」でなく「法的整理」というこの結論は、JALの株価や信用力を勘案した場合の時間的切迫性から言ってもまず翻ることはないと思えます。
JALの再建を誤れば、日本の国家としての経済的信用を失墜しかねない事態が、呼び起こした問題でもあります。
日本航空:再建問題 政府、法的整理へ 支援機構案を支持
 日本航空の再建をめぐり、政府は8日、企業再生支援機構による法的整理を活用した
再建案を支持する方向で最終調整に入った。同日午前、菅直人副総理兼財務相、前原誠司国土交通相ら関係閣僚・副大臣が首相官邸で会談し、認識が一致した模様だ。 機構は19日にも会社更生法の適用を前提に日航支援を正式決定する方針を決めており、法的整理に反対する銀行団との調整が焦点になる。機構や銀行団は、12日に日航の企業年金減額問題に対するOBの意向がまとまるのを踏まえ、法的整理でも安定運航が可能か詰めの議論に入る見通しだ。19日に法的整理による支援が決まれば、裁判所の管理の下で再建を進める。
 平野博文官房長官は閣議後会見で「(再建手法は)機構の判断に基づいてやるべきで、政府がこうしろ、こうあるべし、という話ではないと思う」と述べた。前原国交相も会見で「支援決定の中身を決定されるのは機構。いかに(航空機を)飛ばしながら抜本的改革を行って日航を再生させるかに重きを置いて、関係各方面と調整している」と述べ、機構がメガバンクなどと調整した上で出す結論を尊重する意向を示した。同時に、支援決定後に日航の運航に支障が生じないよう、商取引債権やマイレージの保護などを機構に求めていることも明らかにした。 国交相は、日航が企業年金を平均約44%削減する案を示し、12日までの同意取り付けを目指していることに関連し「(日航が)3分の2以上の同意を取り付けた場合は(機構に)そのスキームを尊重していただく」と述べた。だが、「3分の2を超えなかった場合は、また違った対応になると思う」と、同意が得られなかった場合はより大幅な減額がありうるとの認識を示した。 法的整理に踏み切った場合、信用不安が高まって燃料調達などで多額の現金決済を迫られる懸念がある。このため支援機構は、融資や保証で1兆円の信用補完措置を取り、再建を円滑に進める方針だ。
「日航の法的整理安全損なう」柳田邦男氏が指摘
前原国交相(右)にJAL再建問題の申し入れをする柳田邦男座長 日本航空へ安全問題について提言している外部諮問機関「安全アドバイザリーグループ」の柳田邦男座長らが8日、前原国土交通相と面会し、同社の経営再建について「安全を担う日航の再建は、通常の企業再生とは異なる」として、会社更生法の適用による法的整理は安全運航を損なう可能性があり、避けるべきだとの考えを伝えた。 柳田氏によると、前原国交相は、安全面を配慮することに理解を示したという。 アドバイザリーグループは、運航トラブルが相次いだ2005年、柳田氏や畑村洋太郎・工学院大教授ら外部有識者の意見を同社の安全対策に反映させるために設置された。柳田氏は国交省で会見し、「この4年半で日航は安全文化を築いてきたが、法的再建となれば組織が大きく変わり、安全への取り組みの継続性を失いかねない」と主張。「自主的再建を行うことが、社員の意欲を失わせず、安全運航を守っていく上で極めて重要だ」と話した。
(2010年1月8日19時42分  読売新聞)
「年金減額」については、現役の3分の2以上の賛成をすでに取り付けたものの、OBの3分の2以上の同意がなければ、減額強行はできない状況です。その結果は、12日に明らかになりますが、その結果を待つまでもなく、政府が支援方針を決めたということになります。
これまで言われてきた「年金減額がなければ、国は支援しない」という言葉は、厳しく言えば「嘘」であったということにもなります。同時に「赤字の主たる原因」が「企業年金」にあるという「風評」もその誤りを正さざるを得ないことになってきているのではないでしょうか。
「企業再生支援機構」並びに政府は、「過去の政権のでたらめ航空政策」で被害にあったJALへの「損害賠償額をいくらと見積もるのか」「乱脈経営で失った少なくとも4500億円以上の損失の責任は、誰がとるのか、またその損失額の賠償金は誰から回収するのか」などを、経済的支援の内容と共に国民の前に明らかにしていただきたいと考えるものです。
更に、鳩山総理も前原大臣も、「JALを従来どうり運航をさせながら支援する」と表明していますが、「安全運航」と「モチベーションを生かしたサービス」などを保障しなければ、たちまち旅客の「選択外」にされてしまうことは、必定です。
難しい「選択」となりますが、「透明性」と言う点では、かつてない「改革」が図られるかもしれません。しかし、本題は、「再建への具体的方針」ということになろうかと思います。
報道によれば、財務省次官が「ANA一社化で国際線を」と唱えていたということですが、あまりに航空を知らない非現実的なことを、まともに議論していたのかなぁと感じました。
議論としては、「かなり低次元な内容」をよくもまぁ公開したものだという驚きもあります。
なぜならば、当の「ANA」は、国際線のネット網を広く持てば持つほど、収支が取れなくなることをいやというほど知っています。ワシントン路線を除いて、新路線を拡大しても「不採算であれば、すぐ撤退」しています。
そういう点では、JALと違ってフットワークのよさを身上にしてここまで来ているのです。
また、「JALが、赤字路線と老朽機材を抱えたJASと合併してどういうことになったのか」「合併後、社内の人事・待遇の公平性を保てず、深刻な対立を持ち込んだこと」なども十分に認識しているはずです。
「国際線の路線枠」の問題をいうならば、たとえば、ダンピングで破壊された運賃ながら、ハワイ路線などは、搭乗率で言えば常にほぼ満席状態でエアラインにとっては優良路線と言えます。現状は、JALの独占であり、JALがデイリーで最大11便程度(日本各地から)、ANAは、1便、ですから、6便づつに枠を再配分するとか、そういうことは十分に現実的ですが、「国際線をANA一社に」とは、一体どのように構築するのでしょうか、机上の空論としか思えません。
大体、「ANA」の意向はどうなのでしょうか。「ANA」の意見が表明されてもいませんし、当事者を抜きにして、他愛もないことを言っているとしか思えません。
国内線の幹線の再配分、地方路線のうち生活路線は、誰がやるのか、その際の採算性については、どういう手立てをとるのか、99も作った空港は今後どのように活用するのか、国際線の発着枠をANAとどう再配分するのか、不採算路線ならば全路線撤退するのか、売り込みに来ているアメリカのエアラインの扱いはどうするのか、アライアンスの活用とアメリカン・デルタ航空との提携関係は、どういう線引きをするのか、羽田11万回・成田2万回の発着枠増をどのように配分するのか、アメリカ・EUの格安航空/アジアの格安航空にはどういう対処をするのか、なにもしないのか、「安全の規制緩和が際限なく進められてきた問題を見直すのか、見直さないのか、などなど「再建の入り口には、難問が山積み」です。
今後は、こういう問題をわかりやすく解説する報道が求められることになると思いますが・・・。さて・・・。
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