2009.12.02
突っ込み不足の「機内手荷物制限」問題!!
~航行中の安全上「早期解決」が必要であったのに、40年は放置されてきた~
「やっと本気で厳重な規制がかかった。」という思いであります。
利用者にとりましては、「不便な感覚」を持つと思いますが、機内でさまざまな不測の事態を体験してきた私を含む「客室乗務員」からみますと、「旅客の安全」を守る上では、手荷物は、「ルールと照らしても、中途半端な処置」で数十年を経過してきました。
国内線では 機内持ち込み手荷物は、これまで・・・私の知る限り、少なくともこんな実態にあったとおもいます。
国内線の旅客の一般的動きは、「チェックインして預託する」とターンテーブルで手荷物をピックアップするのが、面倒くさい。一刻も早く空港を出るためには、多少大きくても機内へ持ち込むのが一番という流れです。
こうした期待の行動として、荷物がまとめて収納できて「ころころ」と転がしながら運べる「ピギーバッグ」に詰め込んで、体と一緒に移動するという風景が、蔓延しました。
もともと、ピギーバッグが流行する前でも、バッグの形態こそ違え,その分分散していくつものバッグを持ち込むという点では、同じような事態が、永年続いてきたものでした。機内の棚(オーバーヘッドストウェイジビンoverhead・stowage・bin)には、旅客自身も上げるのをためらうほどのずっしりと重い荷物を、多くの女性客室乗務員に頼んでいる光景が日常でしょう。(お年よりはやむ終えないとしても、若者・紳士の層まで乗務員に上げさせるという姿は、欧米で言えば、国辱ものなのですが、日本では・・・。)国内線の場合、頻繁にこの動作を繰り返さねばならない女性乗務員は、肘を痛めることとなりもはや職業病化していることも聞いています。
安全上の問題というのは、 航空では、不測の事態も当然想定されます。離着陸のときに胴体着陸や予測できない着陸状況があった時、大きなショックダメッジを受けて、棚が開放し、旅客の頭の上をとんでもない重量の荷物が飛び交う光景がイメージされます。
その状況を考えただけで、いつも「ぞっとする」思いでおりました。
~では、なぜ、今まで放置されてきたのでしょうか~
ご承知のように、空港では、かつてであれば必ずエアラインの「チェックイン・カウンター」に行き、預託手荷物を預けて、手荷物だけで搭乗口へ向かうというものでした。この際でも、どれほどの機内持ち込み手荷物があるのか、は正確に把握されていません。
「セキュリティーチェック」とエアラインのカウンターでは、何の引継ぎもないので、大きさにクレームがついても、持ち込むバッグ(買い物などで増えた)の数までは、誰もチェックするシステムにはなっていません。今回の「大きさ」の規制が厳重になってもこのことは、代わりがないでしょう。重量についても10kgということですが、計測はされていないと思います。
~現場からは、40年来「危険だから、会社として機内持込手荷物をきちんと制限して!~
という声が絶え間なく出ていました。しかし、カウンター側は、旅客がカウンターに持参せず、どこかに一時置いておけば、これを、WATCHすることもできません。
次に航空機に乗り込む前に、搭乗券をチェックするゲイトにエアラインの担当がいるわけですが、ここでは、搭乗人数の正確な把握に重点がおかれているので、ほぼフリーパス。客室内で大きな荷物を持ち込めば、どういうことになるか、という実感も薄く、どちらかといえば、定刻に「ドアクローズ」して出発させる、つまり「定時制ばかりに」頭がまわる構造になっているのが実態でしょう。
次に、シップサイドで「不審な人物や荷物、あるいは当然預託すべき荷物が持ち込まれていないかを最終的に、目視してチェックするのは、客室乗務員となります。
私が、現役当時は、「大阪伊丹」で2回、「福岡」で一度、地上係員と「手荷物の持込過ぎ」があるので貨物室に積み込むように指示したところ、「一刻も早くドアクローズして出発して欲しい」ということで、ドアを閉めてしまえば、「あとは知らない」と担当者が現場から逃げてしまいました。こういう社内の風潮に対して、機内の安全を守る責任者として、大きく揉めたものです。
安全上の「ルール」があっても、旅客と揉めることを恐れては、何のためのルールなのか、ひとたび事故やトラブルがあったとき、最低限でも「脱出できるところができなくなったり、荷物そのもので人体にダメッジを与えたりすることのなきよう、「ルールは守られてしかるべきところでした。
メディアの報道の詰めも少々甘いのではないでしょうか?
下記の報道では、「定時性を守るためには、旅客は不便でも」仕方がないところか、というような論調が大勢です。
「安全上に問題がある」という視点で、現場からもう少し丁寧な取材報道をしていただきたいもの、と強く感じました。
機内持ち込み制限:手荷物サイズ、厳格化始まる--国内航空各社
mainichi 2009 12 01
国内航空各社は機内に持ち込める手荷物の大きさの制限を厳格化し、1日から適用した。これまでは各社で制限サイズがバラバラで、空席状況などに応じて柔軟に対応してきたが、定時運航維持のため徹底する。
機内にキャリーバッグを持ち込む客が増え、収納に手間取るなどして出発が遅れるケースが相次いだための措置。
新たな制限は、客席が100席以上の機種の場合、3辺の合計が115センチ以内で各辺が幅55センチ、高さ40センチ、奥行き25センチ以内。100席未満の機種は、合計100センチ以内で各辺が45センチ、35センチ、20センチ以内。制限を超える手荷物を機内に持ち込む場合は、追加料金(片道一律1万円)を支払う必要がある。
羽田空港では1日、保安検査場に置かれた専用のゲージで、係員が大きさの微妙な手荷物のサイズを測っていた。【小泉大士】
朝日
航空会社ごとにバラバラだった、国内線の旅客機の客室に持ち込める手荷物のサイズが、1日から統一された。100席以上の機種(主にジェット機)なら「縦・横・高さの3辺の合計が115センチ以内で各辺の長さがそれぞれ55センチ、40センチ、25センチ以内」。各社とも厳格に運用する方針。
客室に規定外の荷物が持ち込まれて出発が遅れるトラブルが多発し、各社が加盟する定期航空協会がサイズの統一と厳格運用を決めた。
大阪(伊丹)空港のロビーでは、社員らが2カ所で、ウレタンでできた測定用の枠を持ち、キャスター付きの小型スーツケースなどを持った客に声を掛けた。
東京へ出張で向かう大阪市淀川区の会社員佐藤伸一さん(45)は、これまで機内に持ち込んでいたスーツケースをカウンターに預けた。「面倒だけど、時間通りに運航するためには規制は仕方ない」
手荷物のサイズは100席未満の機種(主にプロペラ機)なら「合計が100センチ以内で、各辺が45センチ、35センチ、20センチ以内」となる。重さは席数に関係なく「10キロ以下」。全日空の担当者は「週末や年末年始に混乱しないようもっとPRしたい」。(柳谷政人)
機内持ち込み制限:手荷物サイズ、厳格化始まる--国内航空各社
mainichi 2009 12 01
国内航空各社は機内に持ち込める手荷物の大きさの制限を厳格化し、1日から適用した。これまでは各社で制限サイズがバラバラで、空席状況などに応じて柔軟に対応してきたが、定時運航維持のため徹底する。
機内にキャリーバッグを持ち込む客が増え、収納に手間取るなどして出発が遅れるケースが相次いだための措置。
新たな制限は、客席が100席以上の機種の場合、3辺の合計が115センチ以内で各辺が幅55センチ、高さ40センチ、奥行き25センチ以内。100席未満の機種は、合計100センチ以内で各辺が45センチ、35センチ、20センチ以内。制限を超える手荷物を機内に持ち込む場合は、追加料金(片道一律1万円)を支払う必要がある。
羽田空港では1日、保安検査場に置かれた専用のゲージで、係員が大きさの微妙な手荷物のサイズを測っていた。【小泉大士】
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