2009.11.14

JAL再建といいながら、「不正・癒着」の清算にまったく触れないままです。再録 9月23日のブログです。「

日本航空の債務超過が確実になってきたので、「採算部門」と「不採算部門」と別の会社に分けて、「採算部門を抱えた会社」に資金を投入する。

という案が複数の関係機関の関係者からでている。

9月22日に突然このような報道が流され始めました。

いよいよ、はじめから考えられていた最も狡猾で利用者を欺き、官僚・経営陣・癒着組合の利権構造を温存する「再建案」が姿を現してきた感じが致します。

当初、日本航空からでた「再建案」は、路線便数計画・JAL/JAS統合という経営方針の過ちを認めることもなく、むやみに拡大した中国線の減便・搭乗者は多くともエコノミー団体運賃が集中する「ローマ」「サンパウロ」などが運休される。

また、国内線は、もともと赤字だった地方路線を撤退・減便の計画のようです。

また、メディアや銀行の手前、無理がわかっていても、「更なる人件費の圧縮」として、企業年金の支給額減額が具体的にだされていました。

この点については、整備は、法的安全規制すれすれまで削られ、本体での整備をやめ、子会社や果ては、中国・シンガポールへの外注までされており、限界となっています。

客室も、募集は契約社員、アジア系外国人の多用で、サービス維持もやっと、というところまできており、この上何をどうするのか、と危うい状況です。

空港カウンターなどの担当者も、すべて、子会社委託となっており、ここもかつての「旅客の流れ」をすべて知っているというJALの売りも消えてしまっています。

おまけに、全社員の基本給と手当てから毎月の給料から5パーセントのカットもされており現場では忙しさは増しているのに給料はどんどん下がると悲鳴が上がっています。

これ以上の人件費圧縮というのもはじめから無理が見えていたのではないでしょうか。

年金問題でも、「国からの厚生年金と企業年金」の合計を、「企業年金」単独かのように偽って、報道に流し、各報道機関も事実を確認することもなく「多額の年金支給」と流しました。日本航空の成長にその半生を捧げてきたOBの間からは、こういう「アンフェアーな手法」に対して既に3500人以上の反対の声が集約されています。

運用が困難になったから、預かっていたものを返金するというのならまだ話は、理解されますが、会社が大変だからという口実で個人が積んであった預金を取り上げるような行為が、許される訳はありません。これは、社会的常識を超えた乱暴なやりかたです。

つまり、あれこれ無理なことを出してみて、当然首をかしげられたら、最後に「アメリカのGMでもやっている採算性の良い会社と不採算の会社と分けて採算の高い会社に投資する、あるいは国の資金を投入する」という考えを披露するという筋書きです。

不思議に思うのは、アメリカを例に出すならなぜ同業のデルタやユナイテッドの例を出さずに自動車ビッグスリーのGMを例にだすのでしょうか。

アメリカのレジェンドといわれる大航空会社は上位5社のうち4社まで「連邦破産法・・・いわゆるチャプターイレブン」の適用を申請し、黒字になるまで国の管理下におかれていました。その後、自立してまた「適用」になった会社もあります。「大事な基幹航空は、国がつぶさない」という意思がはっきりしています。

こうした海外との比較をみても、「フラッグキャリア」を旅客需要の上下や燃油費の高騰やSARS・テロなどがあっても、国家並びに国家の位置する経済圏として大切にしてバックアップするというのが現在の航空界の流れです。

「一石三鳥」の整理案

しかし、日本の場合は、国家のものともいえる航空会社を「不正・癒着の舞台にした40年のヒストリー」をそのまま残し、儲けられない路線を背負った会社を潰してゆく、ということは、これまで不正に絡んできた者たちにとっては、「大義名分」も加えて「一石三鳥」のわざともいえます。

なんとも利用者・国民にお恥ずかしい限りの手当てではないでしょうか。

しかも相当前から日本航空内では、この事態を想定した人員配置をしているということを知りまして、驚いております。政権政府などまるで無視したその姿勢には、逆に敬意を払いたいくらいの気持ちさえします。

ANAと国内線のシェア争いをするために、採算性など無視して大赤字で親会社東急からも見放された「JAS」を統合すると言って聞かなかった兼子元社長、その路線が統合後間もない今つぶされてゆきます。この責任は誰がとるのでしょうか。

ANAが「スターアライアンス」に加入した頃、テレビで「わが社には、そういうものはいらない。JAL中心の連合だったら考えんでもない」と言っていた兼子元社長、10年も遅れて「ワンワールド」に日本航空は加入しましたが、その10年で失った「効率性」はどうもどしてもらえるのでしょうか。

ANAが限られた国際線の発着枠のなかで、中国路線に目をむけ、JALの手についていないところと言う切り口で中国本土に網の目のような路線を拡げていったことは、その経営判断とスピードに舌を巻くものがあります。

焦った日本航空は、採算考察など度外視するかのようにANAの後を追いましたが、現在のかつてから開いていた「北京」「上海」を軸にした中国路線まで撤退する気配を見れば、見通しの甘さが露呈されています。

「赤字の主要な原因が、明らかにされないままに流れていって・・・」

日本航空の赤字・債務超過の原因については、メディアでは、全く解析がされていませんが、

①経営者の責任というよりも航空政策・航空行政のゆがみに起因している問題と

②「日本航空の歴代経営者の乱脈・不正・癒着から生じた負の遺産を受け継いでいることとその構造にあぐらをかいたままの見通しの甘さを連発している」ことに起因している問題 

と二つに大別されます。

前者については、

①日本国中に98箇所もの地方空港を延々とつくり続けてきたことによって、採算を度外視して新設の空港に定期便を就航させねばならないという航空局がらみの重い負担です。

同時に、日米貿易摩擦上の問題も糸を引いて、「航空機の過大購入」してしまったこともあげられます

②国際線では、運賃の規制がなくなり、格安の航空券が出回り、「ロードファクター(一機あたりの搭乗率)は良くても売り上げても利益が出ないという現実です。特にエコノミークラス主流の路線ではこの影響がもろに表れます。

③一機100億円以上する新機材をボーイング社にしか、発注できない。お家の事情が困っていても、発注キャンセルもできない、という問題です。今回の2000億円必要というのもボーイング787のほぼ20機分です。一方で、ジャンボ機10機を遊ばせておく、というまともな経営なら珍妙な光景ができています。お家のことより、アメリカへの配慮のほうが優先しているというのも変な話です。

後者については、

日本航空が民営化される1984年前後から乱脈経営が続き、3000億円以上の損失を蒙りました。これは、経営者と管轄官庁国交省航空局と政治家の癒着、その中にまたがるように経営者と労働組合との癒着(組合幹部は、すべて日本航空本体か子会社の役員になる)という構造が「やりたい放題やれる」環境を育てました。

1.ドル先物予約
  1986年~96年、1ドル185円で固定。損失を重ねたが、更に2017年まで
  これを変更しないために、  「2210億円」
2.ホテル経営
・ニューヨーク「エセックスハウス」・・・・「395億円」
・アトランタ・シカゴはじめ17箇所の日航ホテルはじめ国際国内での開発事業ことごとく失敗
                    ・・・「365億円」
3.ホノルル・コオリナ リゾート開発失敗・・・・「210億円」
主なものだけで総計3000億円以上(3180億円
4.このほか「HSST開発失敗」「貨物専用航空JUSTユニバーサル航空の失敗(1992年に撤退)
  など気の遠くなるような損失を重ねている。

こうした明らかな放漫経営による損失にも、経営者からは誰一人責任を問われることもなく蓋をされて、その後の経営者がそれまで築いてきた資産を毎年売り払うことで誤魔化してきました。

多くの社内からの反対を押し切って建てた「本社ビル」から「健保組合の保養所、テニスコート」「成田の整備や客室乗務員の寮」最近では「JALカード」まで売り払いました。

さきほどお話した、「JAL・JAS」統合などは、まさに経営の大誤算。見かけの所有路線は増えても赤字路線ばかりです(国内幹線はJAL・ANAで、というかつての三社体制を決めた国交省の問題でもありますが)

その上、統合後も老朽化したMD機材はトラブル続出、社内は機材が違うので「整備」も「パイロット」も二本立てで経費ばかりかかり、客室でも国内線しか乗務したことのないJAS乗務員が国際線の責任者になるという珍妙かつ人心が荒れる、要因をつくりだしました。地上総合職でも元JALと元JASはその待遇面での格差に感情的な争いが生じていると言われています。

これは、経営責任以外のなにものでもありませんが、こうした不始末の尻拭いは、新会社旧会社と分けることで通り過ぎようとしているのです。

日本航空に拘わった者としての矜持はないのでしょうか、国のエアラインを代表してきた誇りというものはないのでしょうか。

「腐敗・癒着を一掃」しての「日本航空再建」を、新政権並びに担当大臣に強く期待致したいと思います。

ちなみに、映画「沈まぬ太陽」では、「人間の生き方」を主題にしておりますが、こうした腐敗の構造が、きわめてリアルに丁寧に描かれており、観るものに衝撃を与えています。

「腐敗・癒着の構造」に全く触れようとしないメディアも、やがて、動かざるを得なくなるのではないでしょうか。

ロードショー公開10月24日まで、あと一ヶ月。この空間は、「再建問題」に蓋をしようという側からすれば、「助かったぁ・・・・・!」という実態かもしれません。

11月14日現在、100万人を大きく越える鑑賞者があり、「抱える問題」は利用者に浸透してゆく可能性もあります。

不正・腐敗の乱脈経営に蓋をしたまま「再建」を一日刻みで焦る方々の心が読み取れる気が致します。

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コメント

既にJALに1兆円投入されてその行方が分からなくなっていると聞いています。
さらに1兆円投入ということですか。。。?
そもそも、そこまで事業を立て直せないってどんだけ無能な経営層
なんでしょうね。
民主党も民主党です。小沢氏と民主党の支援団体である京セラの重鎮を
JALのトップに置くなんて、本当に信用できないです。

ちなみに、2010/1/12になんの前触れもなく警視総監が更迭、新しい警視総監に小沢氏の旧友池田克彦が就任
など、権力を行使する能力だけは一人前ですね。。。
http://www35.atwiki.jp/kolia/pages/141.html

投稿者: JALと民主党って。。。

NAO 様
弊ブログをご覧いただいているということ、また今回の投稿ありがとうございます。

ちょっと、体調を崩していたため、ブログ復帰に遅れました。

現在メディアで行われている報道からすれば、NAOさんのご感想ももっともと思えます。

私は、航空の実態がプロペラからジェットへ変わってゆく時代を、また、限られた方しか望めなかった海外への道から、「誰でも行ける」時代への変遷もじっくりと見てまいりました。

JALにおいては、歴史的にその尖兵の役割を果たしてきた一方で、ニューデリー、モスクワ、クアラルンプール、羽田沖、そして123便御巣鷹山事故という悲しい歴史も重ねてきています。
たまたま、スケジュール上私が乗務していなかったというだけで、生命をいただいておりますものの、犠牲になった多くの乗客や乗員の皆様になりかわって、「どこよりも安全な日本の翼」を実現することに、少しでもお役に立ちたいと願うものです。

ここで「航空とはどうあるべきか」という問題なのですが、私は、「一瞬にして大量の乗客の命を奪いかねない」という点で、同じ交通機関の中でも航空は、特に「究極の精度を準備した運航」が必要であると思っております。
そのためにはコストがかかります。「いかに儲けるか」という」ことよりも「収支トントン」でも良いから「安全第一の運航」をするべきだと考えております。

重なる経営の間違いから多大な「赤字」を出している現行のJALの状況は、見るに耐えないものがありますが、世界の代表的なエアラインの赤字とはまた違う断面があることも、事実です。

JALでできなければ、JALとANAでも、ANA一社でも、こだわることではありませんが、「日本の航空の再建」という意味では、緊急かつ徹底的な「巨大赤字原因の追及」が必要であるのではないでしょうか。

国民・利用者の信頼できる公共交通機関として、特に国際線中心運航のエアラインとしては、国の規制や監視・指導とその支えなしで「乗客からは見えない安全」の「質と度合い」を保持しながら競争してゆくのは、困難が多すぎるように思います。

NAOさんのご意見、またお寄せくだされば、幸いです。

投稿者: 秀島 一生

はじめまして。いつも興味深くブログを拝見させていただいております。

秀島先生がおっしゃるようにこれまでの経営陣は確かにあまりにも無能で、現在の危機も経営の失敗に依るところが大きいと私も考えます。

しかしながら、私の意見ではこの危機の原因がなんであれこのまま企業年金を温存したまま再建をしていくというのは不可能に近く政府・金融機関の理解を得られないのは目に見えており、遅かれ早かれこういった部分にも手を付けざるを得なくなると思います。

そして、私が最も理解に苦しむのは、なぜこれほど多くの人々がJALをつぶしてはならないと考えているかです。ここまで債務超過が膨らんでいてしかも経営効率も悪い企業をなぜ残しておく必要があるのでしょうか?本来であれば、一度倒産させるか新しい買収先を考えるというのが筋だと思います。たとえ、JALの飛行機が飛ばなくなったとしても世界中に代わりはいくらでもいる訳ですし、高需要の就航先については国交省が本気になれば外国キャリアに就航させることなど容易いはずです。現在でも、世界の主要都市について言えば、日系・外国系それぞれの運行がなされており、経済活動に打撃を与えるなどということはありえないと考えます。必要であれば国内線についても新鋭のLCCなどに増便・新規就航させるか外国から参入をさせる事だって構わないと私は考えます。

投稿者: Nao

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