2009.10.31
本当のことを知らせずに「国民の理解を得られるような」という「年金たたき」ありきでよいのだろうか?
JAL再建に関する、以下のような報道は、最近のメディアの典型的な流れです。
JAL再建で関係省庁が対策本部、つなぎ融資などで協議へ
2009年 10月 30日 10:44 JST
[東京 30日 ロイター] 前原誠司・国土交通相は30日閣議後の定例会見で、日本航空(JAL)(9205.T: 株価, ニュース, レポート)の再建をめぐり政府内の関係省庁による対策本部を設置し、今夕初会合を開くと発表した。
同相は対策本部について、「資金の問題や再建計画実行で生じる問題などについて、関係する省庁との連絡を対策本部中心に緊密にやっていきたい」と語った。その上でつなぎ融資の問題などを含め、JALの安全運航に関連する施策について万全を期していく方針を表明。大きなネックになりそうなJALの年金問題では、国民の理解が得られるような対策の中味にしたいとの意向を示した。一方、藤井裕久財務相によると、対策本部は前原国交相が本部長を務め、内閣府と総務省、法務省、財務省、厚生労働省、経済産業省の副大臣が参加する。財務相はJAL再建について、「つなぎ融資の有無を含めて企業再生支援機構が検討する」、「支援機構と協力しながら、最後は政治が責任を負う」と語った。
JALは29日、過剰な債務を負う企業を支援するため国と金融機関の共同出資で今月設立された「企業再生支援機構」に支援を要請。支援機構は、過去1カ月間にわたりJALの再建案を策定してきた国交相直轄の「JAL再生タスクフォース」とは別に、新たに資産査定と再建案を作り、その上で支援を最終決定する見通し。
一方JALは11月中にも運転資金が不足すると懸念され、つなぎ資金の確保が喫緊の課題となっているが、民間金融機関の反発が強く、公的資金注入についても、国民の理解を得るために高額とされる企業年金の減額などが課題となっている。
その特徴は、見えるだけで、「4000億円」以上の不正・腐敗の乱脈経営を尽くした「事実」も「その責任」も不明にされたまま、一方で最初は、国民年金と企業年金の合算した額をあたかも「企業年金」単独の給付のように装って報道して、これが事実ではないと言われると今度は、「高すぎる企業年金」という抽象的な表現で世論を操っています。
つい最近の例でも、シンガポールケロシン(燃料の先物買い)でANAとJALでは1000億円単位の差がついたという話が市場では流れています。ガロン60円台~80円台での購入の違いです。経営の見通しによって莫大なお金が左右されるという一例です。
まったく、「弱いものの味方のはず」の政府や報道が、このJAL問題になると「税金をつかうのだから」という大義名分だけで、すべての過去の「航空政策の過ちに次ぐ過ち」や私腹を肥やした経営陣の罪過」は帳消しとして、ひたすら、社員がこつこつ貯めてきた「年金」だけを剥ぎ取ろうとする態度をなにやら「国民の正義」とする「姿勢」が私には、全く理解ができません。
これが許されるならば、すべての産業で、同じ理屈が適用されてしまうのではないでしょうか。今後、企業が資金繰り困難のたびに銀行に行くと「年金制度を潰してからでないと融資なんかしませんよ」ということになりますね。自分の給料を割いて老後の貯金をしてきた方々はどういうことになるのでしょうか。
本来、年金基金とは、安定確実に運用されるべきもので、年金基金の運用規制が緩和されたことで、株式やハイリスクハイリターンのヘッジファンドに投資してよい、としたことが年金基金を3割以上痛めつけたといわれています。
今、公表されている年金の「未債務」でもその筆頭は、三菱UFJ銀行で7900億円もあります。
積み立て不足と騒がれていますが、「なぜ積み立て不足になっているのか」という追及は、なされているわけではありません。この答えも「ふ~ん」といえる内容を聞いたこともありません。この点では、JALについても同じです。
積み立て不足になった原因にこそ、本当の問題があるのではないでしょうか。
歴代の経営陣だけで100名以上、関係した運輸族議員、年金基金に危険なギャンブルを許す法制化に尽力した学識経験者、官僚の方々で少なくとも4000億円以上を分担して「JALに対して弁済していただきたい」と考えます。まじめにそう考えます。
これで、世の中の正義が通るのではないでしょうか。
こののち、年金問題は、労使で考えればよいのではないでしょうか。
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