2008.02.05
空港会社への「外資制限でもめているけれど・・・
~「安全と危機管理」と国交省~
オーストラリアのファンドが、羽田空港の株式を19%取得したと言う動きがあったということで、国交省は危機感を募らせ、空港会社(上場めざす成田・関空など)への外資規制を法案としようとしています。
本当に「日本の民間航空の安全」を願っているなら、安全運航のマザーポートとも言える空港は、大切です。運営離着陸に当たっての「航行援助施設などを有するだけでなく、テロ対策はじめセキュリティー上の危機管理、SARS・鳥インフルなどの防疫体制、密出入国チェック、麻薬などの持ち込み・密貿易のGateWayでもあるからです。
こうした点で、「もうけ優先」になりがちな拠点ではない、とするなら「外資規制も納得」できます。
しかし、どうも矛盾していることがあります。国交省は、同時期に「客室乗務員は、責任者を含めすべて委託会社からの派遣でも良い」と規制を緩めようとしています。去年の「沖縄那覇空港で炎上爆発したチャイナエアラインの事故」をみても、「パイロットの慎重な安全最優先の判断・客室乗務員のあうんの呼吸による乗客脱出誘導」がいかに大事かを生々しい映像で伝えられました。パイロットのもう少し早い航空機停止の判断、乗客をコントロールしての客室乗務員ができれば、あんな「大惨事寸前」の事態はまぬがれていた、のではないかというのが航空界の一般的な感想です。
ヨーロッパでは、「客室乗務員のライセンス制」もすすんでいます。安全の訓練と機内での危機管理成熟度がなければ、本来勤まらない職種なのです。
安全はさておいて、エアラインのコスト削減ばかりを後押しするようなこんな「甘い(乗客から見れば)改正案を通している一方での「外資規制」ですから、「安全確保」というのは建前で、本当は「航空への天下りポスト確保に狙いがあるのではないか、と疑われています。運賃にしても「5年連続で正規運賃の値上げを認め、出まわる格安チケットにはなんの規制もできません。政治がやるべきことは、「良質な安全とサービスを提供するエアライン」が成り立っていくような法規制をし、これを擁護することが「民間航空の政策」なのではないでしょうか。
また、金融庁は、大臣が「折角福田総理が外資の日本投資を呼びかけてきたのにこれはなんだ」と思われてしまうと発言しています。
話があれこれと蛇行いたしましたが、「乗客から見えない安全」を国としてどうやって守るか、と言うのが担当の役所のはずなのですが、「猛毒中国餃子事件」の厚生労働省の対応とも一直線上の体質でもあり、やがて「スポット」が当たらざるを得ないことと思います。
国の政治や外交が「世界の物笑いのたね」になっているのを自覚も出来ず、こうした発言を堂々と許す今の日本は、日本の航空界は、厳しい場面に立たされてゆくことになるでしょう。
<空港整備法改正案>外資規制に反対の声…先行きに不透明感
1月31日20時41分配信 毎日新聞国土交通省が空港会社への外資規制導入などを目指す空港整備法改正案の行方が混とんとしてきた。31日に開かれた自民党の国土交通部会と航空対策特別委員会が法案の了承を先送りしたほか、金融庁が同日までに、外資規制部分の削除を求める意見を国交省に提出した。国交省が目指していた5日の閣議決定は困難となるなど、法案の先行きは不透明感が増している。
改正案は、空港会社などの株式について、外資の保有割合を議決権ベースで3分の1未満に抑え、将来上場を予定する成田国際空港や関西国際空港など、基幹空港の経営権は民族系が保有し、外資に渡さないようにする。羽田空港ターミナルビルを運営する日本空港ビルデングも対象。しかし、政府内では対日投資を促進する国の姿勢に逆行する動きとの慎重論が根強い。
31日の部会でも、塩崎恭久元官房長官や世耕弘成参院議員など安倍政権時代の官邸メンバーから「外資だけが悪いことをするわけではない」「空港会社の上場を決めた国交省の判断が問題」など強い反対論が出て改めて議論することになった。
国交省は法改正に伴い東京国際(羽田)、大阪国際(伊丹)両空港の名称から「国際」を外す予定だったが、一連の議論の中で方針を撤回した。【辻本貴洋】
次回は、「チームワークも大事だが、そんなことよりコストカット」という航空関連法の規制緩和です。「客室乗務員は、まるごと委託会社から派遣されることでよい」となります。エアラインの自殺行為にならなければ・・・。と危惧します。
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