2007.10.05

JALしりもち事故、新鋭B-737-800型機!

Photo 10月4日、JALの国内線に投入した最新鋭機B-737-800機が着陸時にしりもちをついた格好で着陸しました。もともと追い風など気象状況によって、着陸時には、機首上げの角度が大きすぎた場合、後ろを擦る可能性があるため、「テールスキッド」が装着されているため、幸いにも人身事故に至るようなことにはなりませんでした。航空局も人身事故ではないため「事故」の範疇には入れないと言っています。いわゆる「イレギュラー運航」というカテゴリーとして扱うようです。

あまり明らかにされてはおりませんが、国際・国内を持つエアラインでは、国内線は、パイロット特に副操縦士が機長昇格をするための予備期間(機長席についてコマンドをとる、つまり副操縦士が離着陸を行い、機長がサポートをする)フライトを抱えています。

私が、現役の頃も、「ドシーン」と着陸した時は、副操縦士が操作していた、ということは度々経験しております。

技量の向上、フライトタイム・離着陸回数の経験確保 のために「国内線フライト」は欠くことが出来ないものとは思いますが、実際に旅客を乗せた中でのプラクティスというのも、考え直した方がよいのではないでしょうか。

ここ数年JAL・ANAとも国内線で同種の事故を体験していることをみれば、優れたパイロット養成と法的問題そしてエアラインの姿勢を見つめなおすきっかけになればと感じます。

日航機事故 着陸時、後部が滑走路に接触 乗客無事 関空
      10月4日16時49分配信 毎日新聞

 4日午前8時ごろ、関西国際空港で、羽田発関西空港行き日本航空(JAL)173便(ボーイング737-800型機)が着陸時、機体後部が滑走路に接触した。同機はそのまま着陸して停止、乗員5人、乗客134人にけがはなかった。この事故で、同空港は、2本ある同空港の滑走路のうち、同機が着陸したA滑走路(3500メートル)の安全を確認するため、同8時45分から同滑走路を閉鎖、同9時半に運用を再開した。同機はこの後、関西空港と青島を往復する予定だったが、運航を取りやめた。
 日本航空によると、接触したのは、機体後方下部にある「テールスキッド」と呼ばれる部分。ニッケル合金製で、離着陸時に機体本体が滑走路に接触することを防ぐためにあり、自動車のバンパーのような役割を果たす。
 同様の事故は、05年3月22日、福島空港で日航機が起こしている。
 乗客の男性会社員(42)は「事故があったことは(取材で)初めて聞いた。大きな衝撃はなかった。機内のアナウンスもいつもどおりで、乗客の様子も変わったことはなかった。そんなことが起きていたとは」と淡々と話した。
 国土交通省大阪航空局関西空港事務所は「飛行に支障が出るような重大な損傷ではないため、事故にあたらない」としている。【江畑佳明】 

産経新聞10月4日 より

国交省によると、今回の尻もちは、事故や重大インシデントには、該当しないその他のインシデントとしているが、航空機の尻もち自体は「軽微なものを含めても発生の頻度は年に1回あるかないか」としている。

 平成17年3月には、福島空港で、大阪発の日航機が機体最後尾を滑走路に接触させ、「テールスキッド」が破損。14年1月には、函館空港で着陸のやり直しを試みた名古屋発の全日空機が、機体後部を滑走路に接触させている。

 また、昭和60年の日航機墜落事故では、7年前に起こした尻もち事故の修理が不十分だったことが、事故につながった可能性があると指摘されている。

以下は2005年福島空港でのしりもち事故の際にJALより出されたお知らせです。また、事後の原因究明では、外山智士さんの「航空事故総覧」に詳しく述べられております。

JL2261便のテール・スキッド滑走路接触について
発生日時 2005年3月22日(火)09:17頃
便名 JL2261便(大阪伊丹08:10-福島09:15)
使用航空機 B767-300型機(JA8265)
到着時刻 福島空港09:21(定刻より6分遅れ)
搭乗者数 運航乗務員3名 客室乗務員6名 乗客124名 総数133名
事例 3月22日午前9時17分ごろ、JL2261便が、福島空港着陸の際にテール・スキッド(注)を滑走路に接触させ、滑走路中心線灯(1個)を損傷させる事例が発生しました。お客さまとと乗員に怪我はありませんでした。機体点検に時間を要し、折り返しのJL2262便は欠航となりました。現在、原因につきまして調査を行なうとともに、当該航空機は徹底した点検を行なった上で運航を再開する事としております。

*テール・スキッド(tail skid):胴体後方下部に取り付けられているソリのようなもの。急角度の引き起こしや着陸時に,胴体後方下部を直接滑走路にこすって破損することを防止する。

平成17年3月22日
株式会社日本航空
株式会社日本航空インターナショナル
株式会社日本航空ジャパン 

【参考】 外山智士さんの航空事故総覧 より

2005年3月22日午前9時17分頃、大阪(伊丹)発福島行き日本航空インターナショナル2261便ボーイング767-300(JA8265)が、福島空港へ着陸時に機体後方下部のテール・スキッドを滑走路に接触させた。
 運航乗務員3名客室乗務員6名、乗客124名、計133名は全員無事であった。
 同機はそのまま着陸して自力走行し、午前9時21分、定刻より6分遅れで駐機場に到着した。接触によりテール・ス
キッドに擦過痕が出来るなど損傷したほか、滑走路上の中央部の中心線灯1個のアルミ製の土台が割れてガラス片が飛び散るなどして破損した。
 本件の影響で福島空港は一時閉鎖されたが、滑走路上の破片を回収したうえで運航が再開された。また、折り返し
便が欠航となったほか、名古屋行きの1便に約40分の遅れが出た。
本件発生当時、福島空港の天候は曇り、風は弱く、視界は良好であった。同機は副操縦士の操縦で進入していた。
 目撃者によると、ドーンという大きな音と共に着陸し、主脚の接地から前輪の接地までに時間を要していたという

 テール・スキッドは、幅約25cm、長さは最も伸びた状態で機体から約45cm突き出したそり状の金属製部品で、離着
陸時に機体後部が滑走路面に接触した際に伸縮して衝撃を吸収する緩衝装置である。内部には高圧ガスが充填されたシリンダーが内蔵されており、主脚を出すとそれに連動して最も伸びた状態になる。ボーイング767-300では、座席数を増やすためにボーイング767-200の胴体をストレッチした結果、離着陸時に滑走路に機体後方下部を接触させやすいために、万一、接触させた場合でも衝撃を緩和して機体が壊れるのを防ぐ目的でテール・スキッドを設けている。国土交通省航空局運航課は、本件について、あってはならないこととしながらも、テール・スキッドが、機体後方下部を構造上接触させやすいボーイング767-300型機を守る緩衝装置であったことから事故にはあたらないとした。
 本件の発生について、日本航空福島事務所から福島県福島空港事務所に連絡があったのは、発生から約20分経過し
た午前9時40分頃で、同事務所では連絡が早ければ、滑走路の修理などの対応が早くできたはずだと指摘した。日本航空によると駐機場到着後、約15~20分で乗客が降機し、その後に機長らが機体を確認し報告したため時間を要したという。
 3月23日には、福島県知事が記者会見で、国と日本航空に原因究明と対策を求める意向を表明した。日本航空は3月
30日、福島県に対して中間報告を行った。中間報告では、予想以上に強い追い風と不安定な気流の中で機長が副操縦士から操縦を引き継ぐ時機を逸した可能性があること、副操縦士が気象状況に気をとられていたこと、機体の失速に副操縦士が気づかなかった可能性があること、着陸時の機首上げの際に水平尾翼のトリムを調整したため機首上げの角度が大きくなって機体後部が接触した可能性があることなどが盛り込まれていた。
 
4月14日、日本航空は、福島県に最終報告を行ったが、中間報告の内容とほぼ同じで、機長が副操縦士から操縦を引き継ぐ時機を逸したこと、副操縦士が不規則な強い追い風などの気象状況に気を取られすぎたこと、着陸時に水平尾翼を調整したため機首上げの角度が大きくなりすぎたことなどを原因として挙げた。
 日本航空グループは、管制塔から許可を得ないまま離陸滑走を開始した件(2005年1月)や、非常脱出装置のモードを切替忘れたまま運航した件などの不安全事象が相次いだことから、3月17日に国土交通大臣から日本航空インターナショナルが業務改善命令を、日本航空と日本航空ジャパンが厳重注意の警告書を受け、CEOの交代人事を当初予定していた6月から4月に早めるなどの発表をしたばかりで、本件についてもマスコミに大きく取り上げられた。国土交通省は、3月24日付で航空・鉄道事業者、航空管制機関宛に、ヒューマンエラーが多発していることから緊急安全点検を行うように通達するとともに、3月28日以降日本航空を中心に航空22社の査察を行った。

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(C)2005 外山智士

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コメント

尻もち事故はあの忘れもしない隔壁破壊による、JALのジャンボ事故(500名が死亡)を思い出す。機体のフレームに与えた影響は、修理では治らない。わたしは隔壁破壊発生のときは、最後部のエアー抜きドアが必ず吹き飛ぶ構造になっているのに最後まで墜落現場についていたことからミステリーと思っていますが、尻もちは事故以外の報告扱いはしないほうが良いと思います。

投稿者: 播    稔

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