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2007.04.26

JR西福知山線事故から2年。            公共交通機関のあるべき姿が問われている!

~「安全第一」と言う掛け声も虚しく~

2005年4月25日に起きた鉄道として最悪の「JR西日本福知山線事故」から2年が経過しました。

公共交通機関としての、「安全への反省」「安全への抜本的改善策」に誠意が見られないとして、犠牲者のご遺族からは、なべて不満の声が聞こえます。

その特徴は、JR西日本の経営陣は時間の経過するほど「利益優先」「事故を起こした根本にメスを入れようとしない無責任」さが浮き彫りとなり、「掛け声と実態」の差に反発が強くなっています。責任を取ったはずの役員がちゃっかり子会社の社長に納まったりはその実例です。

悲しみの2年語り合う/JR西の対応批判も
         四国新聞  2007/04/25 17:42
 尼崎JR脱線事故の犠牲者を慰霊し、鉄道の安全を訴える「追悼と安全のつどい」が25日午後、兵庫県尼崎市の市総合文化センターで開かれ、遺族らが事故から2年たっても消えない悲しみや心情を訴えた。 つどいは遺族らでつくる「4・25ネットワーク」が主催し、遺族や負傷者ら約350人が参加。遺族と負傷者計11人が壇上からそれぞれの思いを語り、JR西日本の対応を批判した。

 ネットワーク世話人の1人、木下広史さん(48)=同県三田市=は、亡くなった長男に「なぜ犠牲にならないといけなかったのかを報告したい」と考え活動に参加したと説明。 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の意見聴取会で、「日勤教育は有用」などと自社弁護に終始したJR西を「自らの保身と企業防衛そのもの」と批判した。

 2両目に乗車し重傷を負った小椋聡さん(37)=同県西宮市=は事故後ほとんどの休日を、犠牲者の最期の乗車位置を特定する活動などに充ててきた。「負傷者本人が最後まで納得いく治療が受けられるようにしてほしい」とJR西に誠意ある対応を求めた。

遺族への補償問題も解決が長引いています。まさに、誠意の所在を問われる問題といえます。

「空」でも続く、「掛け声ばかり?の安全第一」~

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4月18日に北海道放送(HBC)で「JALの航行中の部品脱落トラブル」について報道がありましたが、4月25日TBS「JNNニュース」でもこの内容が報道されました。

B777_aerodynamicseal 航行中の新千歳発那覇行きB777から、部品が脱落。この模様をたまたま目撃していた乗客がビデオでつぶさに撮影しました。不安に思った乗客は、すぐに「客室乗務員」に通報したものの、操縦席からの「アナウンス」もなかった、また到着後も「再度目撃状況を伝えた」のだが、その後「JAL」から連絡もお詫びもなく、「トラブル隠しでは?」と思った当該の乗客がテレビ局に相談した模様です。

HBC(北海道放送)によれば、この問題についてJALに問い合わせたところ、当初は、「部品はラバー製エアロダイナミックシール」「飛行に影響はなく、無い状態での 就航も内規で認めている」「この部品の脱落は他社でも起きていて、ボーイング社も含め対策を検討中である」としていましたが、最終的に「ラバーシールの脱落は問題と考え、対策に取り組んでいる」「どんな部品であれ、落下してはいけないと考えている」との回答を得たと聞いています。

~問題は、「安全への姿勢」と言う指摘も~

同機材を運航しているANAへの照会によると、「この部品の脱落は、2005年に解決。その後の2年間発生していない」とのことですから、JALの「ボーイング社を含め対策に取り組んでいる」と言う回答がどうも合点がゆかないものを残しています。

それよりも、大きな問題は社会的に言えば国交省から「事業改善命令」まで受けて、その後「安全への姿勢」がどういうものなのか、注視の的となっている中で、この処置の仕方は、褒められたものではないと思えます。

乗客から通報を受けたときに、「客室乗務員」はどうしたのか。すぐさまコックピットに報告をしたのだろうか。周りの乗客へのパニックコントロールはどのようにしたのだろうか。報告を受けていたとすれば、コックピットはなぜなにも反応しなかったのか。到着後、報告を受けた整備関係者はこのことをどう捉えていたのだろうか。本社サイドとして総合的にどう取り扱ったのだろうか。ビデオ撮影までされていた事態を知った後の広報対応は妥当だったのだろうか。「エンジン左右逆に取り付けたまま半年も運航していた」事態発覚のとき、広報第一声は「運航の安全上問題ない」としたことが、どれだけ不信を買ったのかと言う自覚はなかったのだろうか。

「たいした問題ではない」としても、日本を代表するエアラインとしては、「第一声に」「大きな声で」ひたすら「恥ずべきことです」と認めなければ、いけないのではないでしょうか。

「安全第一」とは、形ばかり、と言われないためにも、緊張感を持ち、謙虚な姿勢が求められているのではないかと思います。これは、現場というよりも「そういう気分」が持てる社内環境を整えねばいけない経営陣の問題です。

鉄道も航空も「公共の交通機関たる会社」は、メディアや銀行や株主からどのような突き上げがあろうとも、断固として実態的な「安全確保」を遂行するべきと考えます。利用者からの絶大なサポートと信頼を得るには、そうした道に踏みきるべき時期に来ているのではないでしょうか。

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2007.04.14

アカギヘリ事故から考察する「小型機・回転翼機の安全」

~事故がなければ、わからなかった危ない輸送~

20070410_2   ヘリコプターや小型機は、一般的に「定期輸送」に使われていないことから、話題に上ることが少ない日常です。事故があって初めてその「実態」が公になります。

今回の事故については、その後の調べで、「乗客の座席が確保されていない」状況下で運航されていたことが判明しました。もし、事故がなければ、公になることもなく運航が繰り返されていた、あるいは繰り返される可能性を示唆しています。

現在では、テロ対策との関係であり得ないことですが、かつてJALでも、オーバーセールで満席になるとコックピット内にある「オブザーブ用のジャンプシート」にまで乗客を乗せていました。まあ、この場合は「座席」があるわけですから、ちょっとケースは違いますが、「いい加減」「異常」ということでは似ています。エアラインの場合は、機長や整備や客室乗務員が安全上の意見を提起しても、空港支店長の判断ひとつでかなり「無理」があることでも強行されてきたことを体験しています。

今回のケースは「座席を装着しない」ことが「ないほうが乗り降りしやすい」などという判断が優先されていました。ずさんさも極まっていると感じます。

~航空局では・・。~

ここのところ、救助に向った「自衛隊ヘリの墜落」、そして今回の事故と「回転翼機=ヘリコプター」の事故が相次いでいます。いずれも人身事故です。幹線を飛ぶ大エアライン、定期航空の問題の陰に、「小型機・ヘリコプター」などの安全管理がおろそかになってはいないかという点で航空局に問い合わせを致しました。

航空局航空保安部の官制本部管制課、技術部運航課、航空機安全課などの関係各課でした。

☆冬柴大臣のコメントでは、航空法違反とあるが、どの点が法違反と考えているのか?

 ・少なくとも3席を座席として装備していなかったという点は、航空法11条の耐空証明上の違反と考えている

☆たまたま事故があったことで、「違反」が発覚したが、こういう事態が日常的に行われている可能性があると思われる。今後、どのような措置をとるのか?

  ・立ち入り検査を行う。抜き打ちも考えている。

☆毎飛行のたびの飛行計画(フライト プラン)の提出時に定員と装備座席の確認はできないのか?

  ・定期航空レベルでは、フライトプランの「承認」はあるが、不定期の小型飛行機・回転翼機では「通報」を   受け取るだけとなっている。また、フライトプランでは、座席装備のことまで読み取れない。

また、「9km以内は飛行計画を通報する必要がない」という例外があり、今回のケースは、これに該当するもので「飛行計画」の「通報」の必要もなかった。

おおむね、以上のようなものでした。

~ローカル路線・小型機・ヘリコプター/などマイナーな輸送にも、「安全の灯」を~

2005102200000000maipsociview000 ボンバルディア機の続発するトラブルにも、利用者が安心できる対応策も不明のまま運航は持続されています。小型機では、運航の現場が「チャーターした顧客の要望には、無理も聞かざるを得ない」という側面も報告されています。官民を問わず「ヘリ事故」は、「電線に引っかかる」「天候不良への判断ミス」などは多くの場合「操縦者のミス」と片付けられてしまっている感が否めません。

2007 大量輸送の定期航空からローカル航空・コミューター、産業用の小型飛行機、ヘリコプターに至るまで、今一度「安全規制」の見直しを図る時期に来ているのではないでしょうか。

北ア墜落のヘリ会社、「航空法違反」で処分へ…国交相会見
     4月13日11時31分配信 読売新聞

 富山県の北アルプス・水晶岳で「アカギヘリコプター」(前橋市)のヘリが墜落し、10人が死傷した事故で、冬柴国土交通相は13日、閣議後の記者会見で、同社が人数分の座席を装備せずに運航したことについて、「航空法違反があった」と述べ、同社に対して行政処分を行う考えを明らかにした。 冬柴国交相は「人の命を預かる公共交通機関でこういうことがあってはならず、厳しく処分をしなければならない」と語った。国交省東京航空局は週明けにも同社へ2度目の立ち入り検査を行い、運航状況などの事実関係を確認した上で、具体的な処分内容を検討する。 同局は12日の立ち入り検査で、事故機は2列目の3人用シートが取り外され、7人分の席しかなかったことや、シートの管理は機長に一任され、会社として把握していなかったことを確認した。 

北アのヘリ墜落、死傷3人分の座席なし
4月11日15時25分配信 読売新聞

 富山県の北アルプス・水晶岳(2986メートル)で、「アカギヘリコプター」(前橋市)の10人乗りヘリが墜落し、2人が死亡、8人が重軽傷を負った事故で、10人のうち3人は座席ではなく、ヘリの床に座っていたことが、同社の聞き取り調査で分かった。 国土交通省航空機安全課は、「搭乗人数分の座席を用意していない場合、航空法に違反する可能性がある」としている。 この3人は、脳損傷で死亡した長野県松本市、建設会社員長屋修さん(49)と、重傷を負ったアカギヘリの男性社員2人。長屋さんらはシートベルトを締めずに乗っており、被害を拡大させた可能性もある。

 同社によると、事故機は前列に操縦士と副操縦士の席、2列目に3席、最後列に5席の座席が装備できる。しかし、2列目は、外傷性ショックで死亡した奈良市、藤田哲也機長(52)の指示で、同社の東京基地を8日に出た際に装備しなかったという。乗っていた社員の1人は「2列目の座席が無い方が、乗り降りがスムーズにできると思った」と話しているという。 

3人座席ないまま離陸=ベルト未装着、雲包まれバランス崩す-ヘリの整備士ら供述
4月11日11時31分配信 時事通信

 北アルプス水晶岳(富山市)のヘリコプター墜落事故で、事故機の座席が事故当時7席分しかなく、乗客乗員10人のうち死亡した1人を含む3人は座席に座らずに離陸していたことが11日、分かった。またヘリは水晶小屋からの離陸直後に雲に包まれ、バランスを崩して墜落したとみられ、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は事故原因を詳しく調べている。 事故機を運航したアカギヘリコプター(前橋市)が10日夕、ヘリに乗っていて負傷した同社整備士大城敦さん(37)と営業担当小川力皇さん(31)から搬送先の富山市内の病院で事情聴取し、明らかにした。  

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2007.04.09

JAL機、片肺エンジンで着陸!

~実は、私も経験しました・・。~

3月13日のANAボンバルディア機の胴体着陸に続き、4月2日、JALの最新鋭機B-777(略称トリプル)のエンジンオーバーヒートということで、片側エンジンだけでの着陸となりました。多くの方は、「えっ!」と驚かされたことと思います。後の発表では、「計器の誤表示」だったことが判明しましたが・・・。

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(着陸後のB-777機)

当日は、テレビ各局が着陸の様子を「生放送」していたこともあり、ショッキングな話題を投げかけました。
私は、この時、出張で北海道に居り、移動中の車の中で事態を知りました。航空関係者、特にパイロットやメカニックや客室乗務員など現場のことを知るものは、エンジンなどが火を噴いているわけでもないようなので「つつがなく着陸できるだろう」と安心しておりました。結果は、ご承知のとおりの「完璧なランディング」を果たし、事なきを得ました。

~エンジントラブルだけなら、安心です~
この時の航行中の状況をもう少し詳しく説明(推定)致しますと、
1. 右翼エンジンの温度が上昇している旨の警告が計器上表示された。
2. この警告は、エンジン停止をすべきカテゴリーのもの(3段階の警告の中で)であった
3. 片側エンジンを停止した場合、かつての機材では、手動で推進力のバランスをとらねばなりませんが、B-777機の場合、コンピューターがエンジンの推力と尾翼の調整を自動的に行うようになっているため、
4. パイロットは、通常より慎重に「着陸」の操縦を行うことで、あまり慌てることもない状況だったと思えます。
また、言うまでもないことですが、当然こうした事態を想定した「訓練」は行われていますから、パイロットの対応能力は、ほぼ万全です。

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(着陸後のB-777機右エンジン)

~アンカレッジから東京へ向っていた時に~
さて、かつて私も太平洋上で、同じような体験を致しました。アンカレッジ・アラスカ/東京間のことでした。ちょうど航路の半分を飛行した頃でした。シップ(機材)は、DC-8型機でしたので、4発のエンジンですが、1発が不調となり、バランスを取るために反対側の2発のうち1発もエンジン停止させました。この当時は、現在の機材のように、コンピューター化されていなかった訳ですので、その後に、もし残り2発のうちひとつでもトラブルを起こせば、相当困難な「操縦」を余儀なくさせられる環境でした。太平洋上で、です。

Dc8_03 (DC-8型機)

乗客は、深い眠りについていたこともありまして、このトラブルをしばらく伏せて飛行しました。外も明るくなったころ、コックピットからは、キャプテンがトラブル状況を説明、また、このアナウンスをフォローする形で実際に旅客と体面する私はじめ客室乗務員が総出で、事情を説明しました。

なにしろ、エンジンの推力が4発が2発になった訳ですから、当然フライトタイムも約2倍かかることになりました。
機内の旅客に「到着まで、時間はかかるが、安全上は心配ない」ことを理解していただくには相当なエネルギーが要ったことを覚えています。「パニック コントロール」できるかどうかの正念場でもありました。

ちなみに、この当時は、「ニュース」にもならない出来事でした。

~フライトタイムの短い国内線でのエンジン停止は、
      さまざまな問題があります~

さて、かつて欧米を始め長距離を飛行する国際線では、時にはこうしたエンジン停止もあったように思います。しかし、たった1時間前後のフライトタイムの国内線で、エンジンを停止せざるを得ないという事態は、今後の問題点を示唆しているような気が致します。

☆ 航空機関士がいないパイロット2人乗務で果たしていいのかという問題です。
  パイロットは、機内の航行機関システムについては、ほとんど知らなくて良いのが実態ですから、パネルに表れた「警告=ウォーニング」の指示のまま、操作をせざるを得ません。技術革新の一方で、「計器の誤表示か?」「本当に故障か?」の見分けがつきにくい実態です。この結果「引き返し」「緊急着陸」などのトラブル件数が増えている点もあります。航行中、システム(エンジン、油圧系、空調系などのシステム)を監視し、調整する専門職(航空機関士)乗務の必要性も検討のひとつにのせる必要があるのではないかとも思えます。

☆  「今回のケース」は、「エンジン温度を感知するセンサーの電線接続部分に水付着があり、これが原因で温度上昇の誤表示」が起こったとみられています。
ANA・天草エアラインのトラブルでは、「時間に迫られた飛行間整備の甘さ」も指摘されました。JAL・ANAを問わず、「整備の委託、外国への外注化」「整備士資格制度」「キャリーオーバースタンダード(故障持ち越し基準)」に代表される整備のあり方が見直しが迫られているのではないでしょうか。

~機付き整備士制度ももはやなく・・・。~

私が乗務をしていたころ、と言ってももう10年になりますが、「個々の機体には整備場の主治医」とも言える「機付整備士」がついていました。画像では見ずらいのですが、機長、副操縦士、チーフパーサーと並んで、機付整備長ということで、旅客の前に責任者たることを明示していました。コストカットの波に洗われる中、その後この制度は「廃止」されました。

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