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2007.01.31
JAL再建策へのメディアの対応に異論あり!
~利用者よりも金融機関に顔を向ける?~
報道各社は、1月25日に先行して発表された「ANA」の路線減便・休止発表に加えての報道を行っています。
立て続けのトラブルなどを引き金として、利用者離れを起こしたJALの場合とANAのそれとは若干性質を異にするものなのですが、報道の多くは、「両社とも、09年の羽田空港の発着枠拡大による競争激化に備えてのこと」と共通括弧でくくっている傾向が多いようです。
~路線廃止で地方の「足」は大丈夫か~
これは、JRなどの「赤字ローカル路線」廃止とも共通する問題でもありますが、本来、報道としては、路線の減便・廃止などで「利用者はどういう打撃を受けるか」「空も鉄道やバス並みの公共の交通機関である以上、民間エアラインの経営状況の都合だけで決められていってよいものか、国としてはどうあるべきか」など「利用者の側面に立った」配慮も必要なのではないでしょうか。
現実に、廃止される路線に関連する地元自治体では、知事らが相次いで上京して、JAL側に路線の存続を要請するなど、反発が強まっています。また、ANAでは、こうした声に対し、当面計画を見送ることにした路線もあります。【資料1】
【資料1】
ANA、4路線廃止を当面見送り 地元の反対で
1月25日 毎日新聞全日本空輸(ANA)は25日、07年度の国内線の再編方針を発表した。廃止方針を固めていた7路線のうち地元の強い反対を受け中部―福島の廃止を当面見送り、廃止は6路線になった。また、7路線とは別に地元に廃止を打診していた3路線も、地元の強い反発に配慮し当面は存続させることにした。
ANA、効率化で07年度に国内14路線で休止・減便
1月25日 ロイター1月25日、全日空は、国内14路線で休止や減便をする2007年度の航空輸送事業計画を発表した。09年に予定されている羽田空港の発着枠拡大による競争激化に備え、不採算路線を見直して効率化を図る。
国内線では、神戸―沖縄など8路線で増便するが、関西―宮崎など6路線を休止し、伊丹―新千歳など8路線で減便する。このほか、中部―福島など4路線では運行期間を短縮したり、今後の実績に応じて休止の検討も進める。
一方、国際線では、9月に成田―ムンバイ路線を開設するほか、5月に成田―広州路線の便数を週14往復に倍増する。
~人件費カットを煽れば・・どういうことが起きるか~
~JALの場合~
この発表に関連して、例えば、1月30日付朝日新聞朝刊では「JALの再建策」にも触れています。 【資料2】このなかで大変気になるのは、
”金融機関やアナリストには「踏み込み不足」との厳しい評価が目立つ。本業の航空事業で営業赤字が続くJALは固定費の抜本的な削減が不可欠で、今後、リストラの上積みを迫られる可能性もある” あるいは、”とりわけ金融機関や株式市場では、高コストが指摘される人件費にどう踏み込むかに注目が集まっていた。” と更なる「リストラ」や「賃金カット」を煽るような報道がされていることです。
もともと、JALの場合は、これまでの歴代経営トップの判断の誤りから過去少なくとも2千億円以上の損失を出しており、順風満帆だった経営をおかしくしました。9.11やSARSなどで収入悪化などがあっても財務基盤としては、こうした巨大な損失がなかったとしたら現在のような苦境にたたされていることもないといえます。
その上、重大なことは「この実態を明らかにし、責任を取るものが誰一人いなかったこと」です。現場は雨の日も風の日も「安全と快適」のために力を尽くしているわけですから、こんなことが延々と続けば、「やる気」を出せといってもせいぜい風見鶏のように上にへつらうしかなかったでしょう。昨年起きた「社長交代劇」にしても「メディア」では「内紛問題」などと矮小化してしまっていますが、社内の感じ方とはおよそ異質なものでしょう。まして現場の声を上げても耳を傾けず、ブラックホールに落ち込めば、およそ現場の手の届かないところで大切な売り上げを湯水のようにどぶに流されて、結果として、後始末は「従業員の賃金カット」、では誰も納得していないのが実態ではないでしょうか。こんなヒストリーにはまったく触れることもなく、「お家の大事だから我慢して当たり前」という一般的論理はなかなか通用するものではありません。危機を乗り切るための「社内一丸となって」という自発性など果たしてでてくるでしょうか。こうした点は、メディアが鋭く追求する必要があるのではないでしょうか。
そして、安全問題でいえば、整備の外注化、パイロットの外人雇用化、CAの契約社員化、サービスで言えばカウンター含め利用者と接しているところはすべて子会社化か契約社員化して、チケット購入にはじまり、「搭乗から降機」までの流れを把握している者さえ年々少なくなり、品質の劣化は目を覆うばかりです。
さて、こうした中で「更なる固定費削減!固定費削減!」と煽れば、いったい「JALの品格と品質」はどうなるのでしょうか。取り戻すことができるのか、更に劣化する危険性があるのか、答えは明快なのではないでしょうか。
~社長の立場~
こうしたヒストリーと現状をかかえて就任した西松社長は、大変な重荷を背負っていると推察できます。私の印象では、「どこまで本気なのか」「改革の勇気と決断はどこまであるのか」という点で見えないところがありました。スポット的にですが、本社部門、運航部門など社内の雰囲気をうかがったところ、要約しますと「この社長は、今までと違う」「少し前にきているのではないか」「西松社長で駄目ならもうJALは終わりだ」と大きな期待がかけられているようです。
社内の人心を掌握する、経営の責任を明らかにする、という点で、金融・株主・メディアからの批判を浴びることは、覚悟の上で、「更なる賃金カットはしない」と断言したことは、社外では小さなことでも社内ではそれなりの信頼を勝ち取っているのではないかと思われます。また、トラブルの多かった旧JAS所有機であるMD機材を予定より前倒しで退役させるなども利用者にとっては、歓迎される方針です。
一方で、「安全を揺るがす」構造的要因である重要な部分については、「自前主義を排す」といわれていますから、「安全運航をウォッチする立場」の私としましては、目が離せないところでもあります。
~経営と安全は別ではない~
「経営、つまり、儲からなくては、安全といっても限度がある」という認識がメディアを含め、薄く広く存在しているような気がいたします。最近の事例では、「不二家」問題には、こぞって「食品を扱うのに、もうけを優先させるなんて・・。」という意見が定着しています。航空とて、ひとたび「重大な人身事故」を起こせば、昨日まで利益のためなら「安全」問題はさておいて、「コストカットせよ」で傾いていたものが、180度変わって「何をしていたのか」という追及をする側に回ることは、必至です。
「利用者の立場に立った」論理に常に立ち返ることが大事とかみ締めております。
【資料2】
JAL、緩い再建策 人員対策、自然減頼み
経営再建中の日本航空(JAL)が29日、国内11路線の廃止を正式に公表した。2月6日に発表する新たな中期経営計画には約3千人の人員削減なども盛り込まれる見通しで、詰めの作業を急いでいる。ただ、金融機関やアナリストには「踏み込み不足」との厳しい評価が目立つ。本業の航空事業で営業赤字が続くJALは固定費の抜本的な削減が不可欠で、今後、リストラの上積みを迫られる可能性もある。
●基本給カット拡大せず
JALの新中期経営計画は、(1)生産性の向上(2)不採算路線の再編(3)商品力強化(4)グループ再編が4大柱。とりわけ金融機関や株式市場では、高コストが指摘される人件費にどう踏み込むかに注目が集まっていた。 だが、現時点で固まっている再建計画は、「大規模リストラ」には遠い。07~09年度にグループの約5%の3千人を削減する方針だが、うち2千人強は団塊世代の大量退職に伴う自然減だ。 賃金についても、06年度に2年間の予定で始めた従業員の基本給1割カットの継続にとどまる見通し。労使交渉を意識してか、西松遥社長は17日の定例会見で、基本給のカット幅の拡大について「それは、やらない」と明言した。今後は、ボーナスや退職金の抑制策を盛り込めるか が焦点だ。
運航トラブルや内紛騒動による客離れがなかなか回復しない国内線にはファーストクラスを導入し、40億円の増収効果を期待する。だが、スタートは12月で、収支に貢献するのは08年以降だ。
●経営、追い風も 燃料価格、融資協議
JALのリストラが加速しない背景には、企業体質のほか、足元の経営環境に「追い風」が吹いていることもある。 国内路線では4月から平均2・7%の値上げが認められ、200億円の増収が期待できる見通し。さらに、上昇の一途だった燃料価格にも下落の兆しが見え始めた。 主取引銀行の日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行、三菱東京UFJ銀行の3行は、JALとリストラ策のすり合わせを続けている。銀行側からは「『ナショナルフラッグ』は突き放せない」(幹部)との声も漏れる。主力行は、まず今年度内に必要な約600億円の融資に応じるか検討。さらに社債の償還などで来年度、必要になる約1800億円についても協議に入る方針だ。 ただ、金融機関のJALを見る目は一様ではない。微妙な立場なのは、通常国会で政府系金融機関の統廃合の法案審議を控える政投銀だ。同行のJALへの融資額は約3千億円。かつて問題となったダイエー、三菱自動車より多い。JALの再建策の中身次第では国会審議での「風当たり」が厳しさを増しかねない。 JALの高コスト体質が続けば、収支の急回復を描く中期経営計画の実現性は後退する。JAL経営陣に「自立」に向けた覚悟が問われている。
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2007.01.19
「安全」には、コストがかかるのです。
~不二家に三菱ふそうに、etc・・・。~
あの夢を売る「不二家」がこんなずさんな「食品衛生」をしていたとは・・。誰が予想できたでしょうか。2004年にタイヤが外れ、死傷事件まで起こして、リコールしたホイールとハブがまたも「リコール」で回収騒ぎです。
不二家は、経費を惜しんで「消費期限切れ」の材料を使用して販売。三菱は、「ボルトの締めすぎ」をチェックできるシステムが怠っていた。おおむねこうした内容は、「運送の安全」や「食品の安全衛生」に完璧を期すべきところを、「コスト」を惜しんだことが根源的原因と言わざるを得ません。
行政機関が普段から「厳しい監督」にあるべきところですが、「規制緩和の流行」と「本来国民の安全を守るべきセクションの役所の人員削減」にその元凶があるように思えます。
さて、航空の問題に戻りますと、自動車の部品が2~3万種類に比べ、航空機は200万~300万種類と桁違いの量です。しかも、運航する「スピード」は時速880㌔メーターと車と比して10倍にもなります。
「決して飛行機を落とさない」ための「整備」「操縦」「客室保安」には、それなりのコストがかかって当然です。その一方で「事故事件トラブル」が起きるまで衆目に触れない、明らかにならないのが特徴です。
「利用者」は、「運賃・機内サービス」だけに目を奪われず、「厳しい目」で見守ることが重要になってきています。
かつて本社部門の幹部数名と大議論をしたことがあります。
本社サイドは、オフレコだがと前置きして「飛行機は飛んでいる以上、必ず墜ちる。損耗率の問題である。」と言う意見。現場の私たちは「一機も落とさない。そのためにできる最善のコストと手間を掛けるべきでそのことが商品価値を上げ、信頼のブランドを勝ち取れる」 この当時は、平行線のままでした。こうした積み重ねが一体どういう事態を招いたか皆様ご承知のとおりです。
政府は「オープンスカイ政策」といって、依然不平等な航空協定を結んだまま、アメリカから押し付けられた政策を国内にこなそうとしております。激しい低価格競争に晒されることで、ますますエアラインは「コストきり詰め」に苦渋の選択をしてゆくように追い込まれます。
果たして、これで「日本の空の安全」は守れるでしょうか。甚だ不安です。
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華麗な「シート」さて、機内サービスは?
~かつての「スーパーシート」をどう上回るか~
収支改善のひとつとして、兼ねてより発表されていた「JAL国内線のファーストクラス」の試作シートがメディア向けに公開されたようです。豪華でおしゃれな感じです。料金は「1万円程度」ということですが、かつてのスーパーシート料金の約倍額にあたります。当初導入路線は、東京/大阪(伊丹)とのことですが、30分程度の巡航フライトタイムの中で、「どういう差別化をした機内サービスがお目見えするのでしょうか」関係者・利用者の興味関心の的ともなっているようです。
JAL ファーストクラスの試作品公開 国内線で初
日本航空(JAL)は17日、国内線で初となるファーストクラスのシートの試作品を公開した。安全トラブルなどの影響で業績不振に悩むJALは、特に国内線の落ち込みが深刻。同クラス導入を「本業で利益を生むための最重要施策」(西松遥社長)と位置づけ、全日本空輸(ANA)に流れたビジネス客の奪還を図る。
ファーストクラスは、今年12月1日から羽田-伊丹線に投入。その後、羽田-福岡、札幌などの幹線で提供する予定だ。価格は1万円程度を想定。年間約40億円の増収効果を見込む。対象機材はボーイング777-200型機で1機あたり14席を配置。座席は本革製でソファ感覚で使える点や、広い座面や背もたれが特徴。機内サービスについても今後、検討する。 1月18日 毎日新聞
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2007.01.18
秋田空港「誤着陸」についてパートⅡ
~見えない「危険」~
事実については、事故調査委員会の調査結果を待たざるを得ませんが、
現在の時点でも下記の点は言えると思います。
☆日本のパイロットからすれば、考えられない事態、である。
●ILS(計器着陸飛行)ではないので、若干ずれながら滑走路に向かうということで間違えやすい状況がないことはないが、誘導路と滑走路を見誤るほど視界が著しく悪かったとはいえない。
(視程10㌔ということが事実とすれば。)
●仮に誤認してもコーパイロットの意見(ずれているのではないか?)を容れれば、
ゴーアラウンド(着陸やり直し)をすることもできた。
●燃料の問題で、やり直しをしなかったのでは?という意見もあるが、航空機の燃料搭載がいくらギリギリと 言っても、天候不順の場合は、「代替空港」までの最低燃料を想定しているはず。また混雑による空港上空での「ホールディング」などを考慮してフライトプランはたてられているはずなので論拠に薄い。本当に燃料切れを心配したということが事実であれば、法定の燃料搭載を下回っていることになり、「エアライン」の姿勢が厳しく問われる問題にもなる。
【以上の点は、10数名の現役機長の方々から意見を戴きました。】
~大惨事とならなかった幸運~
結果として被害はなかったが、無事着陸は更に以下の点で幸運に恵まれた奇跡と言ってよい。
●誘導路に、タクシング中、プッシュバック中の航空機がいなかった、各種作業車が走行していなかった。
●誘導路は、走行して通過できる程度の強度しかなく、滑走路と違い、着地の衝撃に耐えるようには
出来ていない。衝撃で破壊されたりすれば、機体のバランスが崩れる可能性があった。
●B737という小型機だったから、強度の許容範囲におさまっていたと推察できる。
~オープンスカイ政策の下で~
今回のトラブルを見るように、「安全」と言う点で大きなミスが散見されるようなエアラインを、国家としてチェックできる体制が充分なのでしょうか。私は不安を感じるものです。
フランスにおいては、「事故・トラブル」が多いエアラインは、着陸を拒否している事例もあります。
国交省航空局としては、事故調の結果、仮に「パイロット個人のミス」という結論がでても、
少なくとも、当該エアラインの「事故・重大トラブル」のヒストリーを加えて調査し、
日本での受け入れについて検討することが重要と思われます。今後アジア・オセアニアにおいては、有名エアラインの傘下に、多くの「格安航空」が生まれており、その中から日本に飛来する航空会社も増加することは間違いありません。日本政府としても、更に航空の規制を緩和する「オープンスカイ政策」を発表しました。「安全基準についても「日本の受け入れ」として確たる姿勢を示す必要があるのではないでしょうか。
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2007.01.16
ハイテク機材の30㌫以上は、日本の力も!
~航空といえば、~
どうしてもエアラインばかりが前に出ますが、航空機の製作分野にも目を転じたいと思います。ボーイング・エアバスの最新鋭機の「胴体」や「主翼」に日本のハイテク技術が採用されています。しかもこうしたメーカーは中部地方に集中しています。ご存知でしたでしょうか。まさに、日本の誇りでもありますね。
以下は、毎日新聞。
中部国際空港 ボーイング787の部品、空輸作業始まる
1月12日17時16分配信 毎日新聞愛知県内で生産されているボーイングの次期主力旅客機787の部品を米国に空輸する作業が12日、中部国際空港で始まった。
787は主翼などの部品が同県内にある三菱重工業、富士重工業、川崎重工業の3社の工場で製造されており、空港まで海上輸送後に空輸する日本初の本格的「シー・アンド・エアー」となる。
空港に陸揚げされた部品は専用道で駐機場の輸送機に運ばれ、旅客機より太く改造された胴体部分に収納された。輸送機は同日夕に離陸し、米国の組み立て工場へ向かう。【井崎憲】
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2007.01.15
「日航に2000億円の融資」はいいのですが・・・。
~7月14日、朝日新聞がトップで報道~
経営再建中と言われているJAL日本航空に対して、主要な取引先である日本政策投資銀行やみずほコーポレート銀行などが総額2000億円の融資を計画していることがあきらかになりました。
ところで、永田町・霞ヶ関また丸の内大手町などの金融関連の場では、「政策投資銀行主導のシナリオ」とか「国際協力銀行が機材更新の債務保証をするのでは・・」などということは、だいぶ前からささやかれていたことでした。「来るべきものが来た」というのが関係者の偽らざる感想と言えます。
少々解説を加えれば、昨年7月に実施した公募増資でも2000億を予定したものが、約1400億円しか集まらず、3月の転換社債の繰上げ償還分1000億円、5月の500億円に充当するのがやっとであり、この2000億円とて当面のキャッシュフローを安堵することに過ぎません。この4年間で7500億円の機材更新費用を必要としているともいわれており、まだまだ道は険しいものがあります。
~融資銀行のつける条件~
報道によれば、融資側は、更なる「合理化」を条件としているとあり、中でも「人件費の一層の削減」を求められているようです。銀行家の算盤どうりにすることが、果たしてそのまま「日本航空の明るい未来につながる」ものかどうか、「創業50年を越える日本航空、空の公共交通機関の雄としての日本航空」の舵取りをする経営者の判断にすべてがかかる正念場となってきています。
~労働意欲の減退は、もはや限界に~
社内を見渡せば、JASとの統合でできた賃金・役職・その他の勤務環境の不合理性や差別感、放漫経営で失った数千億円の損失のつけを社員に10パーセント賃金カットで負わせている実態、所属する労働組合による昇格や賃金の差別、現場の声をストレートに反映させない歴史、などで「やる気」を失わせることばかりが充満しているとも言われています。この上、「もっと賃金ダウンを」ということになれば、帳簿上の支出は、抑えられても現場が活気つくことなど残念ながら想定することは出来ません。
~「安全の経費には手をつけない」とのことですが・・。~
産経新聞の報道では、人員削減は「安全性にかかわる航空現業部門は人員を維持しながら、」とありますが、JALでは、現在でも「MD機の客室乗務員を4名から3名にする」との問題がでています。4箇所の非常口に対して4名だったものを、1箇所の非常口には「客室乗務員」を貼り付けないと言う風に「削減」されてしまうことです。機内から脱出しなければならない場合、火災・クラッシュなどですべてのドアが使えないケースの方が多いのですが、助かる乗客も助からない「危険性」を高める人減らしです。
銀行からの融資と言っても、「利用者不在・安全性低下」を条件にするようではたまりません。今後とも、ウォッチが重要です。
みずほ・政投銀、日航に2千億円規模融資
経営再建中の日本航空(JAL)に対し、主取引銀行の日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行を中心とする取引金融機関が総額2千億円前後の融資を計画していることがわかった。JALは現在、人員削減や不採算路線の撤退などを柱とした中期経営計画の策定を進めており、各行は一層の合理化努力を条件に融資に乗り出す。運航上のトラブルなどで顧客離れに苦しむJALには金融市場から厳しい評価が出ていたが、この融資によって当面の財務問題は解決される見通しだ。
JALは昨年7月、中小型機の購入目的で公募増資を実施したが、2000億円の計画に対して約1400億円しか集まらなかった。同社は3月に償還を迎える約1000億円の転換社債の償還資金の手当てが必要になっていることに加え、今後4年間で約7500億円の機体更新費用が見込まれている。市場や顧客の信頼を取り戻すためにも、その財源を手当てすることが再建の条件となっていた。
金融機関からの融資は2千億円規模が必要と見込まれ、主取引行が今後、三菱東京UFJ銀行や三井住友銀行をはじめとする大手行や地方銀行など10を超えるJALの取引金融機関に協調融資を呼びかける。多くの取引金融機関がこれまでのJALからの説明で、リストラを進めれば融資できる環境は整いつつある、と判断している模様だ。
運航上のトラブルや経営陣の内紛などが続いたJALは国内線を中心に乗客が減少し、本業の航空部門の業績不振が続いている。07年3月期連結決算では、保有資産の売却や厚生年金基金の代行返上益などで当期利益30億円を達成する計画だが、本業の立て直しが急務となっている。
そのためJALは2月6日に公表する中期経営計画で、(1)07~09年度の3年間でグループ全体の約5%にあたる約3000人を削減(2)不採算の国内路線の縮小(3)東証1部上場の商社JALUX株や系列ホテルの売却、グループ企業の再編、などを盛り込むことを検討している。国内線へのファーストクラス導入なども決めた。
ただ、政投銀やみずほなど主取引行は「資産の切り売りでなく、安定的に利益が出る体質にならないと支援できない」との立場で、JALが黒字体質に転換するためにさらに徹底した合理化が必要としている。JALが実施中の基本給10%カットを上積みすることなどを求めている模様だ。
金融機関側は、JALの中期経営計画が最終的に決定した後、融資額を確定して実施する方針だ。人件費の一層の削減を求める金融機関側の要求をJAL側が受け入れるかどうかなど、2月の計画決定に向けてはまだ詰めの作業が残されている。
0114.2007 朝日新聞(06:40)
<日航>早期退職者1000人募集 来年度
経営再建中の日本航空(JAL)は9日、来年度に1000人を超す規模の早期退職者を募集する方針を固めた。2月6日に発表する新しい経営計画の柱として盛り込む。グループで約5万人の従業員を擁するJALは、人件費負担の重さが以前から指摘されており、大規模な人員削減で金融機関などの理解を得る意向だ。
JALはさらに今後2~3年間に追加募集を実施し、最大約3000人を削減することも検討している。早期退職の募集対象は、「団塊の世代」やこれに近い高年代層の地上職が中心になる見通しだ。JALが大規模な早期退職募集に踏み切るのは、05年度に客室乗務員や地上職計200~300人を対象に実施して以来。
新経営計画では、人員削減に合わせてグループ企業の再編も行う。本業と関連の薄いグループ企業のうち、東証1部上場の商事子会社「JALUX」を含む主要約15社は、売却などグループからの切り離しも含めて再編する。このほか、旅行、サービス事業会社の見直しも検討する。ただ、カード子会社の「JALカード」は、カード会員とJALに搭乗する優良顧客が重なる例が多いことから、戦略子会社と位置づけてグループ内にとどめる。JALは一昨年から昨年にかけて相次いだ安全トラブルや経営陣の内紛の影響で、国内線を中心に利用者が減少。06年9月中間決算で、本業の航空事業は34億円の営業赤字を計上した。今後の新鋭機の購入や借金返済に向けた負担が重いため、JALは昨年11月に、経営再建のために新経営計画を策定すると表明していた。
新経営計画は、(1)人件費抑制など生産性の向上(2)不採算路線のリストラ(3)商品・サービス力の強化(4)グループ会社再編――を4本柱にしており、JALは既に、国内線の不採算約10路線の廃止や、サービスの充実に向け国内線へのファーストクラス導入などを決めた。計画以外でも、ホテルを年度内に売却することや、来年度からの役員定年の引き下げも実施する方針だ。1月10日3時5分配信 毎日新聞
日本航空、3000人削減へ 「団塊」中心、早期退職も募集
経営再建中の日本航空は10日、平成19年から21年までの新中期経営計画の期間中に、グループ社員のうち約3000人を削減する方針を明らかにした。定年退職による自然減に加え、早期退職制度による募集も行う予定。大規模な人員削減で人件費負担を軽減するのが狙い。人員削減は2月6日に発表する中期経営計画の柱のひとつとして盛り込む方針。グループ5万3000人のうち、安全性にかかわる航空現業部門は人員を維持しながら、間接部門やグループ会社などを中心に人員を削減する。まず19年度に1000人を削減し、その後も年間で約1000人程度の減を見込んでおり、3年間で最大約3000人程度の削減となる。
今回、早期退職の募集対象となる部署や年齢層などについては現在、調整を進めている。日航では、17年度に地上職や客室乗務員らを対象に約300人規模の早期退職募集を実施しているが、今回の削減では、給与負担の重い「団塊の世代」など高年代層が中心となる見通し。 日航では、新中期計画では、生産性の向上▽不採算路線のリストラ▽商品力の強化▽グループ会社再編の4つの柱を元に、経営再建を進める方針で、人件費負担の軽減は財務体質の改善に加え、生産性向上にもつながるとして、金融機関などからの理解を得る考えだ。
(2007/01/10 19:24)産経新聞
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2007.01.12
JAL・ANAの「快適競争」のヒストリー
~JAL・国内線にもファーストクラス?~
日本航空(JAL)が07年度から国内線にファーストクラス並みの高級座席を導入する予定であることが発表されました。単価の高い新座席にビジネス客を取り込みことが狙いとのことです。追加料金1000円で広い座席が利用できる「クラスJ」はそのまま存続する方針ということですから、JALの国内線は、国際線並みの3クラス体制となります。
利用者にとって、こうした「快適・使いやすさ」への進化は、大いに歓迎すべきことなのですが、少し「JALvsANA」の快適コンペティションの歴史を振り返ってみるのも一興です。
~ビジネスクラス7アブレスト(横列席数)を引っさげて・・~
思い起こせば、ANAが国際線に参入したのが、1986年。もう20年もたちます。当時私は、現役チーフパーサーのばりばりでした。当時の国際線の主力機材は、「ジャンボ機」正確に言えば、747-LRでした。ナショナルフラッグキャリアとして、国際線を独占的に運航してきたJALに対抗して、国際線にデビューするにあたって、ANAは、ビジネスクラスの座席を横7座席を打ち出しました。JALは、それまで8座席でしたから、「衝撃的」でした。旅客と毎日接する私たちが、大きな危惧を抱いていたにもかかわらず、当時の客室の現場の幹部たちも、驚き」を隠せませんでしたが、その一方で「JALの経験にかなうはずはない。」「コスト割れして、すぐJALに合わせるに決まっている」などと会社をあげてのんきなことを言っていたのが、未だに耳にこびりついております。そして、しばらくして旅客からのブーイングに我慢できず、逆にANAに追随することになりました。誠に恥ずかしい限りでした。
~国内線では・・・。~
JALがそれまでの「スーパークラス」から「クラスJ」へと方向転換したのは、2004年です。それまでの5000円から1000円でより広い座席に座れるという点では、好評を博してきました。しかし、「静かにゆったりと」という旅客からは、不評でした。この時、ANAの対応は、断固としたものがあり、正直に申し上げて驚かされました。一座席当たりの収益性、需要の動向をみますと、ANAの決断も理解できますが、JALに合わせず独自の方針を貫くと言うのは、勇気がいることです。当時、私は、両社に対して「それぞれの思惑」について、かなりしつこく取材しましたので、記憶が鮮明です。時の流れに沿ってみますと、結果的にそれまでの「スーパークラス愛用者」は殆どJALからANAへ流れたのでは?と推定されます。
~つまり、国内「スーパーシート」の復活ですね~
今や、エアライン各社の収支の具合いは、国際線では、エコノミークラスは、運賃の値崩れで大した利益は見込めず、座席に限りがあるファーストクラスは、頼りにならず、もっぱら『ビジネスクラス」にターゲットを絞っての競争となっています。国内線においても、「スーパーシート」「クラスJ」などが収益性という点で、重要なファクターとして見直されている訳です。ANAの戦略に立ち遅れた形となったJALは、「プラス1000円でゆったりできるクラスジェイ」を温存し、「かつてのスーパーシート」を化粧直しし、「スリークラス」で勝負してゆくことになりました。
~利用者の声は大事です~
こうした競争は、基本的に狭すぎた「国内線のシート」が底上げされてゆくことにもつながります。利用者としては、「安い」ことだけではなく、「リーゾナブルな運賃とリンクして最低限の快適性」を備えているか、厳しくチェックしてゆかねばなりません。
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2007.01.09
JAL国内線にファーストクラス?
1月5日、JALの国内線に、新たにANAのスーパーシート並みかそれ以上のファーストクラスを設置することを明らかにしました。
永年にわたるJAL・ANAの「快適競争」も一層激化してきました。
これまでのヒストリーを含め別コラムにて解説いたす予定です。
「JAL」国内線にファーストクラス並みの高級座席導入へ
日本航空(JAL)が07年度から国内線にファーストクラス並みの高級座席を導入する予定であることが4日、分かった。単価の高い新座席にビジネス客を取り込み、業績改善につなげたい考え。追加料金1000円で広い座席が利用できる「クラスJ」も存続する方針で、JALの国内線は、国際線並みの3クラス体制となる。1月5日1時5分配信 毎日新聞
2007 01 09 [ニュースにひとこと] | 固定リンク
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2007.01.08
「タービュランスで怪我」を追放するには・・。
~乗客に怪我がなかったから良いということではない~
日本中が、台風並みの低気圧にみまわれ、各地で大雪・強風の影響がでています。近代的装備と言われた「セントレア中部空港」も雪には弱く、大量の欠航便を出しています。こうした気象状況下では、「乱気流」への備えは、各フライトで充分なされているはずなのですが、1月7日の鹿児島/伊丹日本航空2404便で乗務員がまたも負傷した模様です。当該機は、着陸態勢に入っていて、機内サービスの後片づけをしていた客室乗務員が被害にあっています。悪天候のもとでは、「いつもより早く着席する」ことは常識と思えますが、一体どういう指示がされていたのでしょうか?はなはだ疑問に感じます。
報道においては、やむを得ないことですが、「乗務員に怪我」があっても「乗客に怪我なし」ということですと、「安全運航」への追求の手が弱まる傾向にあります。
~怪我は、「エアラインの誇り」を汚す事件~
JAL・ANAはじめ、これだけ「タービュランスによる怪我」が続くなかで、「乗員・乗客」に「怪我」があった場合、エアラインとしての「安全ブランド」は「誇り」は大きく傷つけられる、という社会的な認識が必要になってきているのではないでしょうか。
一日三回もタービュランス人身事故!2006.11.21
乱気流でJAL機乗務員4人、軽いけが…紀伊水道上空
1月7日21時44分配信 読売新聞 7日午後1時5分ごろ、鹿児島発大阪(伊丹)行き日本航空2404便(MD90―30型、乗員・乗客165人)が和歌山白浜町の西約50キロ沖の紀伊水道上空で乱気流に巻き込まれ、客室乗務員4人が転倒するなどして頭や足などに軽いけがをした。 乗客にけがはなく、定刻通り到着した。大阪空港事務所によると、同便は当時、着陸態勢で高度5800メートル付近を降下中で、激しい揺れが3秒間ほど続いたという。大半の乗客はシートベルトを締めていたが、4人は立って機内サービスの後片づけなどをしていたらしい。
2007 01 08 [ニュースにひとこと] | 固定リンク
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2007.01.07
新たな波、日本の空の機材更新
~2008年には、「ボーイング 787」がお目見え~
新年を迎えて、将来の「日本の翼」のイメージが報道されています。
もともと、「機材の更新年数」と「機種の統一性」については、「究極の安全」を目指す航空会社としては、避けては通れない問題でした。
加えて、コンピューターライズされたコックピットまわり、機体の軽量化など目を見張る技術革新によって、「燃費効率の高い」、「CO2対策にも優れた」航空機が生まれました。世界のシェアをほぼ二分するエアバスとボーイング、日本の空は、今のところ「ボーイング」の誇る最新鋭787型機が次世代を担います。
JAL・ANA 航空機の更新急ぐ 「中小型・少機種」に
日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)が航空機の更新を急いでいる。「大型・多機種」路線から「中小型・少機種」に変わるのが特徴で、大型機の代表、ジャンボ機(ボーイング747)は近い将来、主役の座を明け渡す。両社は更新を通じ燃料費節約など効率運航につなげ、09年度の羽田空港拡張や成田空港の滑走路延伸で予想される競争激化に備える。
ANAは79年に導入を始めた前期型ジャンボが06年3月に退役。90年から導入した後期型も07~09年に順次売却し、将来は新鋭機に入れ替える。JALも09年度までに前期型が姿を消し、10年度から後期型の退役が始まる予定だ。世界最大のジャンボユーザーのJALは大型機比率が現在6割だが、10年度末に4割に下がる。
更新による効率化効果は大きい。JALの欧州線の場合、後期型ジャンボ機(325席)から同777-300ER型機(292席)に替えると、燃料費節約などの効果は毎日飛んでいる便の場合、年15億~20億円にのぼる。座席減で収入は減るが、経費削減がそれを上回る。
機種の絞り込みも更新の大きなポイントだ。とくに今はJALが多くの機種を運航しているが、近い将来、大・中・小型それぞれ1機種程度に絞る。従来は機種ごとに必要だった部品調達や乗員の訓練、整備士の養成などが少なくて済む。
両社が次期主力機と期待するのが中型機のボーイング787型機(250~300席)。炭素繊維など軽い素材を多用、燃費効率が従来の同型機に比べ約20%、後期型ジャンボ比では約60%向上する。機内の気圧や湿度、窓の大きさなど客室環境も大幅に改善するという。両社とも08年に1号機が納入され、計80機の発注を決めている。
新鋭小型機の導入も順次始まった。ANAは05年12月に同737-700型機(118~136席)が就航し、同機の新しいタイプを07年3月に投入する。JALは07年3月から従来型に比べ航続距離が4割長く燃費が15%よい737-800型機(144~165席)が飛ぶ。
09年度の羽田空港の再拡張・国際化と成田空港の滑走路延伸で、2空港合わせた発着回数は今の年間50万回から同63万回に増える。とくに羽田は現在の1.4倍と大幅に増えるため、内外航空各社の新規参入が予想される。両社は新型機による効率的な運航でコストを下げ、多様化する利用者の需要に増便で応える方針。 1月6日 毎日新聞
2007 01 07 [ニュースにひとこと] | 固定リンク
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2007.01.06
緊張!!大韓航空誤着陸 2007.1月6日
2007年を迎え、本年も日本の空の「安全運航」と「快適性」に提言を続けて参りたいと思います。皆様、よろしくお願い致します。
~秋田空港で・・・~
さて、まだ松の内に、思わず「緊張」が走る事件がありました。なんと、秋田空港で、”「ランウェー」でなく「誘導路」に誤着陸してしまった”というものです。折りしも、離発着する航空機もなく、無事着陸。怪我人も機体の損傷ひとつもなく、不幸中の幸いでした。事故調査委員会は、「重大アクシデント」として、調査を開始した模様ですが、「直接・間接を問わず、なにが、こういうミスの原因になったのか」を徹底的に調べ、早期に公開して欲しいと願います。
大韓航空機、秋田空港の誘導路に誤着陸…けが人はなし
1月6日15時58分配信 読売新聞
6日午後0時15分ごろ、秋田市の秋田空港で、韓国・仁川発の大韓航空機769便(ボーイング737―900型機)が誤って誘導路に着陸した。 同便には乗客124人、乗員9人が乗っていたが、けが人はなかった。 国土交通省などによると、誘導路は滑走路と平行し、南側約120メートルの位置にある。長さは滑走路と同じ2500メートルあるが、幅は30メートルで滑走路の半分しかない。 国交省は、大惨事につながる恐れもあったとして、6日中にも航空・鉄道事故調査委員会の調査官2人を現地に派遣し、調査に乗り出す。




















