2005.12.23

エンジン左右を逆のまま、8ヵ月!

  ~何事もなくて、よかったものの・・~
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日本航空の国際線用のジャンボ機(B-747-300)が、シンガポールの工場で委託整備された際に、エンジンを左右逆に装着され、受け取りの際もこれを見逃し、この結果、このミスに気がつかないまま、約8ヶ月間/2700時間、運航していたことが21日、判明しました。同社では、「運航に問題はない」とコメントしましたが、

●このミスが原因で一部のエンジン部品が検査すべき時期を過ぎていた。
●逆噴射装置が客室側に向かって作動していた。

という事実もあり、「たまたま致命的なトラブルが起きなかった」「幸運だった」と受け止めたほうがよいのではないかとの声も上がっています。
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 ~増加する整備の海外委託に心配の声も~

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問題の 「SASCO社」は、1991年シンガポール航空と日本航空が出資して、シンガポールPaya Leber空港に設立されました。B-747型機クラスが2機とB-737型機クラスが1機同時に収納できるハンガーを持ち、定期整備と機体構造の改修などを業務受託しています。日本、アメリカなどの航空局から整備事業場として認定もされています。

しかし、過去 日本航空・全日空の整備受託をする中で、報道されただけでも、下記のような重大な整備ミス事例も起きています。

●1997年-12月:日本航空B-747型機のドアの非常用作動装置を固定せず。日本航空の自社整備時に発見されるまで、同機はそのまま1年間も乗客を運び続けた。
●1999年-3月:日本航空B-747型機エンジン取り付け部分から燃料漏れ、調査の結果、原因は、2枚必要な部品  が1枚しか取り付けられていなかったことが判明。
●1999年-6月:全日空B-747型機の離陸時に、メインのランディングギヤが動かず、収納できないトラブルが発生。調査の結果、油圧システムの中に気泡が入っていたことが判明。
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航空の「規制緩和」のひとつである「定期整備などの機体整備の海外委託」は、航空法が改定された1994年から始まり、年々増加の一途をたどっています。このSASCO社のほか、中国アモイのTAECO社などを加えると指標の取り方にもよりますが、日本航空の場合、整備全体の40パーセント(sasco社15%、Taeko社25%)にもなるといわれています。

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今回のトラブルは、航空法の改訂などで、「安全への規制緩和」を行ってきたことが、果たして「利用者の安全を守る」ミニマムを逸脱していないか、を社会的に考える上で極めて重要な「警告」と受け止めるべきでは、ないでしょうか。特に監督の立場にある国土交通省の今後の対処を見守りたいと考えます。

  ※なお、同日のTV朝日「報道ステーション」で、おおむね上述の内容でコメントを致しました。
    (画像は12月21日OA分より)

【報道】
    左右エンジン逆に JAL 逆噴射装置→客室向き 2700時間飛行

 日本航空のジャンボ機が、海外で委託整備された際に左右のエンジンを取り違えて設置され、ミスに八カ月間気付かないまま十一月まで約二千七百時間飛行していたことが二十一日、分かった。ミスが原因で一部のエンジン部品が検査すべき時期を過ぎていたほか、逆噴射装置が客室側に向かって作動していた。
 国土交通省は「ミスは手順を守らなかったために起きた」として、日航に再発防止を指示した。
 日航によると、ミスをしたのはシンガポールの整備会社「SASCO」。二月十四日から二カ月間、国際線用ボーイング747型機を整備した。 四基あるエンジンを取り外して点検。整備を終えて戻す際、識別番号を確認しなかったため、両端のエンジンを逆に取り付けたという。 日航がミスに気付いたのは十一月十四日。取り違えに気付かないまま、約二千七百時間飛行し、四百四十回の離着陸を繰り返していた。
 各エンジンの性能、構造はほぼ同一だが、取り違えたことで、外向きに調整されている逆噴射時の排気がやや客室側に向いていた。同社がメーカーに確認したところ、機体への影響はないという。整備時期にずれが生じたため、エンジンケースの検査間隔が規定より二百発着回超過していた。
 日航はSASCOから機体を受け取る際の検査でもミスを発見できなかった。日航は「自社でも識別番号をチェックするなど再発防止に努める」としている。
(産経新聞) - 12月21日15時34分更新

■日航機、左右エンジン逆のまま運航・海外整備でミス

日経:12/21

  エンジンの一部の部品は規定で650回の飛行ごとに点検するが、左右の取り違えに
より1基のエンジンは点検が見逃されて約850回飛行していた。日航は安全上の問題は
なかったとしているが、国土交通省は再発防止を指示した。
 

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コメント

日本航空は大企業病? 私は左右エンジンの取り付け誤りに気づかないで8カ月も飛行したのは、ベテラン整備士が定年退職、または管理職となり、直接整備の現場から遠ざかってしまったのではないか。またすべてコンピュータ診断にまかせてしまったのではないか、と思っています。
レシプロエンジン時代はプロペラは左右で反対に回転するのでこのようなミスはありえませんが。

投稿者: Hari Minoru

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