2005.11.25

                     航空は、もって「他山の石」とせよ!

~安全揺るがす「規制緩和」
   マンション、ホテルも、そして「空も」~

建築関係では、アスベストの問題に加えて、「耐震強度偽装問題」が、社会を大きく揺るがせています。
報道によれば、これまで明らかになった偽造21物件のマンションに加えて、すでに竣工済みのホテルまで疑いが生じている事態となっています。
11月24日に開かれた「国土交通省による聴聞会」では、業者から厳しくコストダウンを迫られた場面を、姉歯建築士は生々しく証言しました。
 業者「もっと鉄筋量を減らせ」
 姉歯建築士「これ以上できない。鉄筋量を減らすと、安全性に問題が生じる」

なんと恐ろしいことでしょうか。そして、データを偽造し、「甘い民間検査機関を選んだ」と述べています。
現在は、建設・施工業者の営利主義、建設会社としての無責任さが、厳しく追及されています。当面被害者を急遽救済する上でも当然のことと思います。
しかし、その根本にある問題は、仮に「業者が安全無視、営利優先の無責任建築を強行しようとしても、厳しい確認検査がそれを許さない体制」が確立されていたかということです。偽造データで、すべてすり抜けられている事を見れば、民間の指定確認検査機関のチェックの甘さがに原点があることは、明白ではないでしょうか。

1999年、「規制緩和」と言う名の下に、居住者の安全を守る「検査機関」は「行政から民間へ」移行されました。同じ建築・施工・設計事務所が建てたものでも、この年以前の物件には、今のところ「偽造データによる建築」は見つかっていないようです。
P5120062

「規制緩和」という甘いフレーズのもとで、「安全の規制緩和」が粛々と進められてきている状態は、瞬間に大量の「旅客・利用者」の「いのち」を奪う可能性のある「航空」でも同様と言えます。
検査体制ということで言えば
1994年、5月。航空法を改定して、それまで航空機等の検査は国によるものであったのが、民間企業に委任する「検査制度」へと変わりました。
現行建築確認の制度の死角と、なんと似ていることでしょうか。

JALであれ、ANAであれ、連続する航空会社のミスや小規模な事故(インシデント)は、こうした背景をまさに「警告」しているものであり、社会的にも「構造的な航空の安全の危機」を改めて認識する必要があると思います。ちなみに、航空の規制緩和とは、
例えば、日本航空は、日本航空法と言う法律で、厳しく安全に規制がかかっていましたが、1987年、この法律は廃止され、「営利優先」への歯止めがこの時点から弱くなってきました。

そして、「コスト削減」の風潮の中、どんなことが生まれてきているかと言いますと、
整備部門では、
☆飛行間点検をする整備士が2名から1名に、
☆飛行間点検にこれまで国家資格一等整備士の配備をしてきたものを、水準の下回る「運航整備士」をあてる
☆キャリーオーバースタンダード(部品を直す、交換する基準など)の緩和
☆整備方式の緩和 自社整備から外注化、更に重整備の海外外注を認める(94年)。
運航乗員(パイロットなど)では、
☆運航乗務員の2名化(85年)そして交代なしの12時間乗務へ(航空法65条)
☆外国人パイロットの拡大
客室乗務員部門では、、
客室乗務員の契約社員化(94年)、
☆外国人CAの拡大
空港部門では、
☆手荷物の積み下ろしや機の誘導要員の削減

などなど、安全確保の「聖域」とも言える「運航に直接携わる現場」は、安全規制の歯止めが緩んだ中で「危機」に瀕していると言っても過言ではないでしょう。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


人気blogランキングへ

コメント

コメントを書く






トラックバック

この記事に対するトラックバックのURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/26612/7307266

この記事へのトラックバック一覧です:

Copyright (C) 2001 - 2004 Hideshima Issei All rights reseved.