2002.11.22

「ふれあい!」 in the Cabin 「高田 延彦」さん

心優しき戦士 「高田 延彦」さん ~引退(02,11.24)に想うこと~

~出会いから今日まで~

グァムを離陸して、30分ほど、食事のサービスの真っ只中、ビジネスクラスの旅客は、2~3名。私は、あとを担当のスチュワーデスにまかせて、エコノミークラスキャビンの様子は?とお客様と会話をしながら客席後方へと歩を進めていた。
 ふと、エコノミークラス最後尾のコンパートメントにくると、大きな体をした若い人が10名ほど固まって座っている。食事のトレーが小さく見える、ましてアントレのステーキなど一口で終りの感じに思えた。私は、リーダーとおぼしき方に、「体格が立派ですが、どういうスポーツをおやりなんですか?」とアプローチしたものだった。
「レスリングなんです。プロレスです。」
「そうですか。それじゃ、この程度の食事では、とっても足りませんよねえ・・。」
「恥ずかしいんですけど、そうですね。」と彼は、遠慮がちに答えた。
私は、「ちょっと、お待ちください。」といってギャレー(機内の台所)に行き、担当のクルーに「アントレ、余ってない?あったらひとつ出してください。サービスは、私が、するからいいよ」と言って、急いで彼のもとへ戻り、「なんとか、なりましたからこれもどうぞ召し上がってください。」といった。すると彼は、「ありがとうございます。」といって、ひと呼吸あってから「あのう、僕も腹減ってますけど、若いもん達に食べさしてやりたいんですけど、いいでしょうか?」と述べたのだ。
私は、”自分よりまず若いもんに”のこの心意気にうたれてしまい、思わず、担当のクルーに「余っているのは、トレーごと、全部出して!」と叫んでしまった。

食事の後、彼からの「有難うございました。」という丁重なご挨拶を受け、話を伺うと彼は、UWFインターというプロレスの団体の代表であり、高田延彦さんということが、はじめてわかった。この時、機内のスポーツ紙をあらためて見てみると、出ている出ている、高田選手の文字が踊っている。
「なにしろ、プロレスの世界に縁がなくて、知らなくて申し訳無い。有名な方なんですねぇ。」と驚いた私に、「東京でも、また是非お会いしましょう。」とさわやかに言った高田選手の顔は、その後の時の経過はあっても、忘れられない。

しばらくして、高田選手から一本の電話があった。

「秀島さん?。ちょっと頼みがあるんですけど・・・・・。」
「何ですか。言ってみて・・。」私
「実は、友達が今度ニューヨークへ行くんですけど、JALなんでよろしくお願いしたいんですけど・・・。」高田選手
「そういうことなら、勿論、乗務する担当に言っておきますよ。
そんな、遠慮勝ちにいわないでもいいのに・・・。」私
「ところで、その友達は、男性?女性?」私
「女性です。・・・・・・。」高田選手
「もしかして、親しい女性?」私
「将来、結婚しようかと思ってる人なんですけど・・・・・・。」高田選手
「なんだ、早く言ってよ。わかった。そういうことなら、私のできるだけのことをするから。」私
「それで、名前は?・・・。ムカイアキさん?。了解。」

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高田道場設立のときに

その後、当時私は、乗務が仕事なので留守が多く、そのムカイアキさんから、2度ほど留守電にメッセージがはいっていた。
外地から戻って留守電を聞いたときに、そのメッセージは、ニューヨークで感動したことなどの様子をいれた上、お世話になりましたと言う旨のものだった。
たまたま、傍らにいた娘に、
「最近の女の子にしては、随分しっかりしている内容だねぇ。」
といったところ、
「本当に、素適なメッセージね。」
「気になるんだけど、そのムカイさんって、あの向井亜紀さんじゃないの?」
「あの向井さんって、テレビでよくみる向井亜紀さんのこと?えっー」

そして、しばらくして、御結婚の知らせが届き、披露宴に出席させていただいたことは、言うまでもない。

高田選手のひたむきさ、それゆえの格闘家としての無敵の強さは、プロレス界、ファンの皆さん、関係の方々、を差し置いて私が述べるものではない。
しかし、何万人の人々の旅のお供をしつつ、養ってきた人を見る目には、それなりの自信ありである。
高田選手のやさしさ、高い品性は、光輝いている。
また、ムカイさんの心つ゛かいのこまやかさは、そこらの客室乗務員顔負けのグレード。

2002.11.24 を基点に高田選手は、天に昇る龍のごとく、また一段の飛翔を見せてくれるものと 信じている。

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